午前十時の映画祭とフリーパスの活用に四苦八苦していたら、遅ればせながらこちらで公開されていた「ゴーストライター」を見逃してしまった。気がつけばキネ旬のベストワン。しまったなぁ。3月に県外で上映するので、久々に遠征してみるか。秘宝のベストワンの「ピラニア3D」も瞬殺で打ち切られたし、地方暮らしは油断大敵です。
その罪滅ぼし、ということでもないのですが、「ゴースト…」を上映していた県内唯一のミニシアターに久々に出陣。割引きかせて1,600円という料金にいつも二の足を踏んでいたのですが、今回行ってみて5本観て5,000円の回数券があることを知り、狂喜。これからはもうちょっと通わせていただきます。
で、「ウィンターズ・ボーン」と「宇宙人ポール」をはしごしてみたのですが…
「ウィンターズ・ボーン」はアメリカ中西部の貧困層の暗部を題材にしたドラマ。地方の集落がきれいごとですまないのは日本もアメリカも同じなのだろうけれど、ドラッグや銃がはびこっている分だけアメリカの方がきついよなぁ、とは思いました。
ただ、それ以上の何かをこの映画で得られたかというと、正直自分にはきつかったかな。ひどい格差社会であるアメリカの実態を訴えたいという作り手の良心は伝わってくるし、その重要性も頭では理解できるのだけれど、それ以上にはどうしてもならない。
正直なところ、帰宅後につけたテレビで途中から見たNHKドラマ「キルトの家」で語られた、東日本大震災や老いや死についての山田太一独特のモノローグの数々の方がずっと身につまされてしまう訳で。
マザー・テレサの「大切なことは、遠くにある人や、大きなことではなく、目の前にある人に対して、愛を持って接することです。」という言葉を思い出し、映画本編以外のところでいろいろ考えさせられてしまいました。
「宇宙人ポール」は、観ているあいだずっと、「町山智浩(字幕監修)が死ぬほど喜びそうな映画だな~」という気がしてなりませんでした。
だって、積極的に公開実現に関わった「ホット・ファズ」の二人がSFオタクを演じて、スピルバーグのオマージュ全開で、主人公の恋人は氏がアメリカ問題で積極的に紹介するキリスト教原理主義派で、しかも「キル・ビル」でダリル・ハンナが演じた殺し屋みたいなアイパッチしてるんだもん。観終わった後、本屋で秘宝のベストテンをチェックしたらやっぱり1位に入れていた。そりゃそうだわな。
ただ、自分としてはこの種の”オタクが報われる映画”は「もういいよ」あるいは「まだやるの」という感じ。「ギャラクシー・クエスト」から何年経ってるの?というのが正直なところです。
ロドリゲスの「マチェーテ」を観た時も感じたのだけれど、「俺も大概子どもだけれど、いい加減にしたら?」という感想は、やっぱりオタクの気が抜けない自分自身の近親憎悪なのかな。つい観に行っちゃうんだけれど。
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