新任地への引継ぎの途中、フィルムセンター展示室へ。終了間際のポスター展「ミュージカル映画の世界」に滑り込み。海外のポスターが中心で、未公開作品も多く、仕事の疲れも忘れてしばし楽しんでまいりました。6月には京都でもやるようです。
日本製のポスター・宣材もあったのですが、なぜか冷遇(?)されていたのが「南太平洋」で、展示されていたのが70年代にリバイバルされた時の半券のみ。
最近テレビを点けっぱなしにしていたら、車のCMでいきなりこの作品の序曲が流れてきてびっくり。午前十時の映画祭を手がけている映画演劇文化協会の主催でこの夏に全国で巡回上演するようなので、そのプロモーションもからんでいるのかな。「南太平洋」については東京での本命系のチラシが何とかそろった感じがしているので、こちらにまとめてみました。
新任地、と書きましたが、転勤で4月から九州に戻ることになり、ただいま荷造りの真っ最中。パソコンもさすがにXPはそろそろアカンやろ、ということで早々に買い換える予定。ということで、落ち着かない毎日を過ごしておりますが、必ず再開いたします。
おことわり
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2015年3月27日金曜日
2015年3月22日日曜日
2014年上半期に観た映画(リスト)
今さらながらではありますが。
昨年の下半期と同じパターン(☆20点 ★5点。旧作はなんとなく☆☆☆★★を上限)でだらだらとメモ。
1月
キャプテン・フィリップス☆☆☆★★
P・グリーングラスはこういうタッチの方が冴えるな。
ターミネーター☆☆☆★
音楽が80年代してるなぁ。
ロッキー☆☆☆★
映像が70年代してるなぁ。
大脱出☆☆☆★
いくらなんでもこのネタバレ宣伝は酷い。所長が蝶好きなのでマル。
麦子さんと☆☆★★
故郷の描写があまりにファンタスティックでついていけず。往年の花王名人劇場を観ている感が。
スティーラーズ☆☆★★★
V・ドノフリオ、「大脱出」で「おぉ、久しぶり!」と思ったらここでも会って、10数年ぶりに街中であった旧友に駅のホームでまた会った気分。
エンダーのゲーム☆☆☆
どうもハリウッドのジュブナイル系作品とは相性が合わないなぁ…って観る方が歳なんだから仕方ないです。
燃えよドラゴン☆☆☆★★
恥ずかしながら映画館では初観戦。何も言うことはありませぬ。
2月
ザ・イースト☆☆☆
ちょっと優等生すぎて、期待したほどのものではなかった感が強い。
ウルフ・オブ・ウォールストリート☆☆☆☆
10代に「時計じかけのオレンジ」を初めて観た時の衝撃を思い返す。若い頃だったら人生変わっちゃいそう。内心の自由を大いに満喫。
華麗なる週末☆☆☆★
こちらを参照。
ラッシュ/プライドと友情☆☆☆★★
今年は「ウルフ…」とこれを観ることができて大満足の一年でした。
アメリカン・ハッスル☆☆☆★
演技合戦というより役作り大会。夜中のA・アダムスは「スペースバンパイア」のテーマが頭の中を駆け巡り、参った。
ペコロスの母に会いに行く☆☆☆★
ひどい出来だとも思わないけれど、これがキネ旬1位というのはどうもよく分からない。選出者の高齢化?
ダラス・バイヤーズ・クラブ☆☆☆★
映画としてはインディ感は否めない(岡山の渋谷化とか)けれど、もう、ジャレッド・レトが圧巻で必見。
3月
リーガル・マインド☆☆★★★
興味深い題材ながら、展開も演出もこれといったものがないままだった。
ハリケーンアワー☆☆★★★
面白いシチュエーションだったけれど、ゴールをうまく用意できなかった感が。
それでも夜は明ける☆☆☆
えぇ、監督の名前と予告編のいかだで「パピヨン」期待した俺が悪かったんです。21世紀の19世紀って雰囲気の課題図書映画。.
ジャッカルの日☆☆☆★★
ようやく映画館で観られてうれしい。何も言うことは(以下略
ひまわり☆☆☆★
川喜多映画記念館で鑑賞。ひたすら涙、涙かと構えていましたが、思った以上にコミカルなシーンもあって驚き。
ハンナ・アーレント☆☆☆★
柄にもなく、現在の社会状況と比較論考したくなる作品。主演女優のハードボイルドな雰囲気もいいが、実際近くにいたら鬱陶しいか。
MUD -マッド-☆☆☆
マコノヒーとウィザースプーンの掛けあいを見て、「ヒート」のデ・ニーロとアル・パチの競演シーンを思い出す、性格の悪い俺。
ウォルト・ディズニーの約束☆☆☆★★
観た時は満足していたのだけれど、その後やれ「マレフィセント」だ「イントゥ・ザ・ウッズ」だと旧作解体路線ばかり続くと複雑な気分。
4月
LIFE!/ライフ☆☆☆★
LIFEの休刊をからめたのは上手いと思いましたが、必要以上に話を大きくし過ぎ。
ロボコップ☆☆☆
考えて、ひねりすぎて、理には落ちてもかえって魅力が減じるという…後だしジャンケンもつらい。
ローン・サバイバー☆☆☆★
おそらく米国民目線の映画なので、異邦人である自分には受け容れがたい箇所もありましたが、戦場の酷薄さ等、観応えありました。
あなたを抱きしめる日まで☆☆☆★★
正直J・デンチは苦手なのですが、これは良かった。可愛かったぞ。
仁義なき戦い☆☆☆★
どうもこの作品を観るたび、途中で写る「シャギー・ドッグ」のポスターが引っかかる。せめて封切時の「ボクはむく犬」にしてくれれば。
LEGO®ムービー☆☆☆★★
レゴ初心者から上級者まではもちろん、株主はじめ利害関係者の皆さん、ブロックは河田だった自分まで満足させる凄い映画。
ドラゴン怒りの鉄拳☆☆☆
ネトウヨから見たら「ブルース・リーは反日!」になるのかしらん。それにつけてもノラ・ミャオの可愛さよ。
白ゆき姫殺人事件☆☆☆
以前観た「ゴールデンスランバー」もそうだったのだけど、どうもTV局内部の描写にリアリティを感じない。説明過多の台詞にも閉口。
5月
ルパン三世 カリオストロの城☆☆☆★
さすがに絵の動きには古さを感じざるを得ないが、面白さは相変わらず。
ブルージャスミン☆☆☆★★
マイナーリーグで長らく調整していたピッチャーが、久々のメジャーのマウンドでいきなり剛速球を投げた感。
WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜☆☆☆★
主題歌を誰にするかはこのCMで決めたんだろうなぁ…と思うとつい顔がほころぶ。伊藤英明の登場シーンも最高。
あなただけ今晩は☆☆☆★
ちょっとくどい感じはあるものの、面白さは相変わらず。
8月の家族たち☆☆☆★
もう少し舞台劇そのものの情報を知っておけばより楽しめたかな。パンフは物足りない.。
新しき世界☆☆☆
設定を欲張りすぎて、説得力が薄れ、「インファナル・アフェア」には遠く及ばず。
ポリス・ストーリー/香港国際警察☆☆☆
スタッフのクレジットに馬飼野康二の名前が。それにつけても画質のひどさよ。
6月
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌☆☆☆★
今ひとつ苦手なコーエン兄弟でしたが、これは楽しめました。
ゴジラ☆☆☆★
第1作。河内桃子のふくよかさにしても、追悼を歌う女学生たちにしても、時代の変化を実感。
グランド・ブダペスト・ホテル☆☆☆★
そのおしゃれな感じにどうも食わず嫌いだったW・アンダーソン監督でしたが、行ってみたらさすがに良かったです。
羅生門☆☆☆★
音楽がどうも「ファム・ファタール」(坂本龍一)を彷彿させるなぁ。影響あったのか。
ハミングバード☆☆☆★
すごく良くできた、ってことではない(特にオチの展開)ものの、登場人物の描写に味わいがあり、魅力的な作品に仕上がっていました。
ある過去の行方☆☆☆
展開は相変わらず上手いのですが、「別離」に比べると妙に演出めいたこと(昔の営業手法みたいな)をやっていてがっかり。
死亡遊戯☆☆★★★
今の眼で見るとさすがに代役シーンはかなりツラい。それにつけても画質のひどさよ。
X-MEN:フューチャー&パスト☆☆☆
やはりM・ヴォーンで観たかったなぁ。それにしてもなんでこう皆さん、中国中国なんですかね。
トランセンデンス☆☆★★
観る前から微妙な予感はしていたが、やはり、という結果に。
her/世界でひとつの彼女☆☆☆★
「トランセンデンス」の後だと何を観ても傑作に観てしまうのかもしれないが、こちらはアイデアをいろいろ詰め込んでいて面白かったです。
う~む、やっぱり1年経つと忘れてしまうな。続きはまたあらためて。
遥かなる西部のバラード(「砂漠の流れ者」「ケーブル・ホーグのバラード~砂漠の流れ者~」)
スピードチラシ。仮題つきはボロボロの ものしか持っておりません。 |
70年代の珍品チラシを追いかけていると、どうしても「スプラッシュ公開」(東宝や松竹・東急系列の二番館で上映)の作品が気になってくるところ。この「砂漠の流れ者」のように、観客に配布されるようなチラシは(おそらく)作られていなくても、業界内配布用のスピードチラシが「本命」として珍重されています。このあたり「『映画のチラシ』をどのように定義するべきか?」という問題もはらんでいるのですが、実際はかなり適当、コレクターの主観・価値観次第になっている感が。
で、「砂漠の流れ者」も、当初は「遥かなる西部のバラード」という仮題がついて、シングル盤も発売されていたようなのですが、最終的にはタイトルを変え、「鷲と鷹」(リー・ヴァン・クリーフとウォーレン・ウォーツの競演作。東劇系での封切は1週間で終了)との二本立てと相成った次第。
そんな経緯からスピードチラシも仮題のものとタイトルが空欄になったままのものがあり、チラシ大全集には空欄に正式なタイトルが手書きされたものが掲載されています。
プレスシート B3 |
スピードチラシとプレスシートを比べると、解説やストーリーは同じですが、プレスの方はアートワークやキャッチコピーをアクション映画、それもマカロニを意識した残酷ものっぽく仕立てています。
当時の新聞広告はプレスに載っている「宣伝文案」を手直しし、「毒蛇責め!渇き責め!砂地獄!」と打って、さらに「眼を覆う残酷さ!この世のものとも思えぬ物凄さで話題騒然!」と煽っているのですが、この映画を観た人なら、「眼を覆う残酷さ」は作品を捻じ曲げてでも売り込まねばならぬ「業界の掟」であり、「この世のものとも思えぬ物凄さ」はスピードチラシの4枚の場面写真をアクション風にデザインした「プロの技」だと思うのではないでしょうか。これらのフレーズ、おそらくは宣伝した側の自己韜晦、自虐も入っている気がします。
ワーナーは60年代後半から「ブリット」「俺たちに明日はない」「ワイルドバンチ」「ウッドストック」「ダーティハリー」「時計じかけのオレンジ」「スケアクロウ」…と、映画史に残る作品を連発していましたが、台所事情は厳しかったよう。「エクソシスト」と「燃えよドラゴン」が大当たりした1974年1年間の日本法人の配収が過去10年分だった(キネ旬決算号)そうですから、作品の価値と商品の「旬」の興業価値はなかなか一致しないものです。
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