1984年に権利がらみで長い間封印されていたヒッチコックの作品(「裏窓」や「めまい」等)が再公開されて反響を引き起こします。それに味を占めたCICが名画座ミラノでMGMのミュージカルを連続上映したところ、これも盛況、第2弾も銀座文化で、さらには有楽座・日比谷映画のさよならエスティバルだ、「ジャイアンツ」だ「戦争と平和」だ…と、今までスクリーンでお目にかかれなかった作品たちが続々と観られることになり、喜んで映画館に通ったことを覚えています。
そこに鉱脈あり、とにらんだのか旧作を一気に買い付けたのがヘラルド。最初、キネ旬でラインナップを見たときは「本当?16ミリじゃないの(失礼)」と思ったほど。ちょうど就職と重なって、それまでよりは思うようには行けなかったのですが、本当にありがたかったです。
とはいえ、チラシコレクターとしては個別のチラシがほとんど出なかったのは残念で、当時はこれらの特集物は「外れ」扱い、熱心に追っかけることはありませんでした。
ミレニアムを過ぎてからでしょうか、この辺のチラシに再び興味が湧いたのは。当時、少しだけですが名古屋に住んでいて、せっかく名古屋に住んだんだから、記念に「星ヶ丘三越」のチラシを集めよう、といろいろと探しはじめたのですが、やってみると、この種の特集上映も地方によってデザインが違っていて面白い。しかも安い。
チラシ本は「大全集」がリファレンスに なっていますが、他の本でもたまに興味 深い記事に出会えることがあります。 |
ちなみにこの谷川氏、現在は何と社会学者で、早稲田大学の客員教授です。大阪時代、ジュンク堂で「アメリカ映画と占領政策」という本を見つけたときに、著者の名前を見て、ひょっとして…と思ったものの、当時は結びつける情報がありませんでした。
今回の記事を書くにあたって調べ直したところ、ご本人のプロフィールに勤務歴があって、同一人物だったんだと納得した次第。で、当時5千円という価格に恐れをなして買うのを控えた「アメリカ映画と…」ですが、現在は絶版、アマゾンではプレミアがついている状態。
ぐぬぬ、映画も本もチラシも一期一会でありますなぁ。
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