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2012年12月28日金曜日

センチメンタル・アドベンチャー/目撃者

今年もシアターN渋谷はじめ、いくつかの映画館の閉館(予定も含む)がニュースになったのだけれど、シネパトスは東京で映画を観ていた頃は洋ピン専門館だったはずで縁がありませんでした。

浅草中映も、浅草という街自体が池袋発の私鉄沿線に住んでいた自分にはアクセスしづらく、東京クラブやキャピタルといったところも含めて行かずじまいでした。「ぴあ」に載っているラインナップで、時々「こんなのフィルムが残ってるんだ…」という古い作品が三本立に挟まっていて、気になることはあったのですが、あちこちに名画座があったあの時代、通学定期からいくら交通費を乗せるかが大きな問題で、行き先は池袋や高田馬場、新宿あたりに偏る訳です。

センチメンタル・アドベンチャー」が東京ではロードショーがなく、地方の二本立の「添えもの」だったのは有名で、自分は池袋文芸座の「イーストウッド大会」で「ブロンコ・ビリー」と一緒に観た記憶があります。

そんな上映経緯のせいか、通常のチラシが存在せず、あるのはホール上映か、この画像のような館ニュース。これは浅草キャピタルのものですから、本来は「名画座のラインナップ」なのですが、通常版が無いために珍重されています。このチラシには曜日表示が無く、年代特定が難しいのですが、封切(KINENOTEでは1983年4月26日)より前の日付で、「ザ・ドロッパーズ」(1983年10月公開)がありますので、1984年以降のものと考えられます。

※偽造品防止のため、コントラスト等修正しています。
面白いのがこのチラシの裏面が、同じくまともに公開されていない「目撃者」だというところ。この辺、映画館の意欲がうかがえて、好感が持てますね。

「目撃者」は未公開チラシとして紹介された記事を見かけた記憶があり、ネット上でのはっきりした公開データが見つからなかったのですが、キネ旬増刊「世界映画作品・記録全集」の1985年版に「1983年1月22日千葉市内」との記述がありますので、これも「センチ~」同様、地方の二本立の「添えもの」として上映されたのでしょう。

こちらは1枚もののチラシが存在しますが、FOXスクリーンフレンドで販売していましたので、その手のルートで流通しているものが大半なのではないでしょうか。実際に映画館で配られたかは、個人的にはちょっと疑問です。

ワーナーやFOXがこの手の地方向け二本立作品のきちんとしたチラシを作りはじめたのは85年以降なので、少しだけ時代が早すぎたわけで、「センチ~」の通常版がないのは、パンフレットがあるだけによけいに残念です。

2 件のコメント:

じゅまんじ さんのコメント...

「目撃者」のチラシは自分もFOXスクリーンフレンドのルートで入手した記憶があります。劇場では見かけなかったですね。
自分がこの作品を鑑賞した時の同時上映は、あの「食人族」でした。もちろん名画座での上映ではなく、封切館での組み合わせです。
ただ、かなり「目撃者」は「食人族」の陰で冷遇されていたようで、上映は一日一回のみ。夕方の5時頃からの上映でした。それだけ「食人」目当ての客が多かったからでしょうね。(当時は自分もその一人でしたが)
こんな上映形態が全国的な現象だったのかどうかは知る由もありませんが、自分の鑑賞した金沢の劇場では、かなり変則的なタイムテーブルだったと思います。今ではシネコンでよく組まれるでしょうが、当時は珍しかったですね。

紀住 圭人 さんのコメント...

じゅまんじさん、こちらでははじめまして。コメントありがとうございます。
「食人族」との二本立でしたか。記録を見ると1月15日公開になっていますので、一致しますね。
ゲテ物系はあまり行かないのですが、「食人族」は「処刑教室」とハシゴして観た記憶があります。当時のFOXにしては珍しく東宝系ではなく、丸の内東映パラスだったかな。リズ・オルトラーニのテーマ曲がよくって、随分後になってですが、この曲が収められたオルトラーニの2枚組CDを買ってしまいました。
情報ありがとうございます。こんなブログですが、今後ともよろしくお願いします。