1982.6.12リバイバル時のもの |
「甘い生活」。フェリーニは若い頃に数本、午前十時で「道」を観ていますが、う~ん、どうもピンと来ないんだよなぁ。退屈とかいうことはないんだけれど、後を引く、もっと他の作品を観たくなるような気持ちにもならないのはどういう訳だろう。
この作品も観ている間、「こういう表現って、当時は斬新だったんだろうな。」と頭では分るシーンがいくつもあるのだけれど、なぜか他人事の気分になってしまい、いまひとつのめり込めない。キリスト教的社会観になじめないから?単なる相性?う~ん、わからん。
それにつけてもアヌーク・エーメは美しいなぁ。以前はスチル写真で「怖そうな、濃ゆい美人」という印象を持っていたのですが、午前十時の「男と女」であっさり覆されてしまいました。この作品も白黒のコントラストで美しさがいっそう際立っておりました。眼福眼福。
ということで、数は少ないですが、彼女の50~60年代の出演作のチラシをこちらにまとめてみましたので、興味のある方はどうぞ。
1981.12.5オリジナル完全版公開時のもの |
「山猫」。毎度毎度恥を偲んで告白しますが、ヴィスコンティは貴族の没落とか少年愛といったテーマがどうも別次元に思えて、1本も観ておりませんでした。
いやぁ、久々に凄いものを観てしまった、というのが率直な印象。日頃「映画の入場料は高い」と感じることが多いのですが、この作品ばかりは「1,000円は安すぎる」と思いました。月並みな表現ですが、「動く泰西名画」とはまさにこのこと、画面の隅々まで監督の美意識が行き渡っていて隙がなく、圧倒されました(何度か意識が飛んだのは内緒)。それとバート・ランカスターの存在感の素晴しさ。昔「家族の肖像」のチラシを入手した時、「なんでこんな映画にこの人が?」と思いましたが、こんな演技をされたら再オファーが来るよなぁ。
という訳で、食わず嫌いを猛省し、もっとヴィスコンティが観たいなぁ、と思いましたが、こればかりは自宅のしょぼいテレビでは意味がないわけでして。次に出会えるのはいつになるのやら。
「甘い生活」も「山猫」も、初版のチラシは欲しいのですが、比較的割安なアート系作品も、この辺は別格で手が出ません。それにしても「山猫」初版のランカスターの格好、あれは貴族というより農夫だよな、どう見ても。
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