12月に観たのは2本だけ。
「人生の特等席」。一昨日早めに帰宅したら、たまたまBSで「目撃」をやっていて、ついつい観てしまったのですが、こっちも妻と死別して、弁護士になった娘と仲違い…と、好きなんですかね、この設定。
「ハートブレイク・リッジ」で「トップ・ガン」のトムクルーズの真似した若造のサングラスを踏み潰すシーンを思い出す、「マネーボール」にケンカを売るようなストーリー。キーとなる大物ルーキー候補の弱点は原題でネタバレ、隠れた才能君の速球を女・子どもがキャッチできるのも無理筋。A・アダムスと、J・ティンバーレイクが田舎町で出会う若者のダンスも今時これはないだろうという古臭さ(「掠奪された7人の花嫁」が始まるのかと思ったぞ)…とリアリティなど考えたら頭が痛くなる展開なのに、ニコニコと観通せてしまうのは、「目撃」がホワイトハウスへの反撃をぬけぬけと達成してしまうのと同じで、「映画の文法=魔法」のかけ方が巧いとしかいいようがないです。「これでいいのか?」と問われれば、「これでいいのだ」と答えたくなっちゃうのは、イーストウッドびいきが過ぎるのかなぁ。
残念なのはパンフレットで、相変わらずの全作レビュー。こんなの喜んでいるのは書き手だけだと思うんだけど。劇中のスカウト仲間や弁護士事務所のパートナー連中あたりのクセ者たちを解説して欲しかったです。
一方、その「リアリティ」がどうにもしっくりこないのが、ダニエル・ボンド。「カジノロワイヤル」のエンディングには「新生ボンド誕生!」と、正直グッと来たのだけれど、次の「慰めの報酬」でガッカリ。やっぱ続編にしちゃダメだよな。ボンドガールや悪の組織はぬけぬけとリセットして、それまで何もなかったかのごとく始めなくちゃ。それに「リアルなジェームズ・ボンド」みたいな言われ方がされるけれど、そんなの”正義の味方の悪漢が、黒い白馬にまたがって、前へ前へとバックする”ようなもので、ムリだと思うのは俺だけか。
初っ端のアクションは良く出来ていたし、Qの若返りもグッド・アイデアなんですが。ダニエル・クレイグがどんどん暗くなっていく感じで、今回「実は復帰テストは不合格」というエピソードがあったけれど、地下鉄に飛びついて乗務員に軽口をたたくシーンのあまりの「寒さ」に思わず「お前はジェームズ・ボンド不合格!」と心の中で叫んでしまいました。
サム・メンデスの起用で主人公の内面性の描写とかは深まったのでしょうが、それが「007映画」に必要なのかと。下手に作家主義になって、毎回「僕のジェームズ・ボンド論」を見せられたらたまらんのですが。世界的にヒットしているだけに凄く不安です。観終わった後にネットで見つけた渡辺淳一の「人間はもっと軽薄にならなきゃ、高尚なら誰でもなれる。」という言葉を(渡辺氏の発言の趣旨とは違うかもしれませんが)製作陣に贈りたいです。
4 件のコメント:
どうもです。
クレイグ版ボンドになってから、劇場で007を観てません(笑)
自分も思ってたのですが、彼はハッキリ言ってボンド役には向いていないです。
「カウボーイ&エイリアン」とかでも同様ですが、表情が硬すぎですね。
演技がヘタじゃないんだけど、柔らかさがないんですよね。
正直、観てて息が詰まりそう・・・
S・コネリー、R・ムーアあたりの小洒落た感じがやっぱいいです。
あっ、P・ブロスナンもいい線行ってたなぁ。
あと、ジュディ・デンチのMもどうにかならんもんかな。
ただのイヤミなバアさんにしか見えない。
もっと昔のように、ピチピチどころのボンドガール沢山出さんかい!と声を大にして言いたいです。
コメントありがとうございます。チョコさん、ですよね?違っていたらごめんなさい。
製作者のブロッコリ家が娘の代になったせいかもしれませんが、彼女がプロデューサーになったブロスナン・ボンドから女性が強くなる一方で、それはそれで時代を反映していると思うのですが、J・デンチののさばり具合がエスカレートするのは正直鬱陶しかったです。今回ようやく退場することになったのですが、事実上の「ボンドガール」だわ、A・フィニーまで引っ張り出すわと、何様だよ、といった感じです。
再びどうもです。チョコでした。
ログイン情報を選択という欄が出てなかったので、あれ?と思ってたら送信されちゃったようでした。どうもすみません。
今の007は、タイトルと主人公の設定を変えるだけで、すぐ別の映画になるくらい違和感があると思うのは私だけでしょうか?
チョコさん、再度登場いただき恐縮です。
コメント欄も時々不安定になるようで、こらGoogle、北朝鮮行ったり自動車作ったりするヒマがあったら、もっとしっかり運営せんかいいって、タダでは文句も言えんわな。
現在の007の違和感はボンド役が変われば消えそうな気がするんだけれど、そろそろ降板してくれないものか。結構そういう意見多いと思うんですが。
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