おことわり

本ブログの画像の転用は固くお断りします。
photos on this site are NOT allowed to be used on other websites.
ラベル 1980年代 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 1980年代 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年1月30日木曜日

日本沈没/小説吉田学校



久々ながら脊髄反射エントリーにてご容赦。
たまたま昼休みにスマホをいじっていたところ、日本を代表するイラストレーター、生賴範義の企画展の情報が。家に帰って企画展のFacebookを眺めていたら、「日本沈没」の1973年版のポスターが。いやぁ、リメイク版を手がけていたのは知っていましたが、オリジナル版も氏の手によるものだったんですね。他にも「獣たちの熱い眠り」(1981)の劇画タッチのイラストや岡本喜八の「EAST MEETS WEST」(1995)とか、これも気づかなかったな~
あわててキャグニーさんのサイトのギャラリーを確認したら、しっかり「日本沈没」「獣たち」が展示されていました。さすがです。

せっかくなので公式のFacebookでも今のところ紹介されていないネタを投下。「小説吉田学校」(1983)。これを発見した時はちょっと驚きました。どうしても自分には「帝国の逆襲」や「ゴジラ」のイメージが強いので…

ちなみに展示は2月8日から3月23日までみやざきアートセンターにて。「日本沈没」を描かれた頃から当地に居を構えてらしたからなのでしょうが、さすがに遠いです。せめて東京でもやってくれないないかなぁ。

図録の第1次先行予約(特典は展覧会のチラシ8種!にカレンダー)もとっくに終わっていて、オノレの情報収集能力の貧しさに、ため息ばかりであります。

2013年12月25日水曜日

6月に観た映画

やっぱり年内に追いつくのはムリでしたが、それでもしつこく。

午前十時で「慕情」。冒頭の空撮からしてシネマスコープの魅力満開。観光映画の色彩が強いメロメロのメロドラマで、中国に関する描写は時代を感じさせるし、ややご都合主義的な展開もあるけれど、ジェニファー・ジョーンズの名演で一気に見せます。

W・ホールデンが「ここ(香港)は考えるのではなく感じる所だ。」みたいな台詞を喋っていて、字幕のせいかも知れないけれど、つい「燃えよドラゴン」の元ネタかな、と思ったり。

シュガーマン 奇跡に愛された男」。地元アメリカでは全くの泣かず飛ばずだったシンガーソングライターの残したレコードが、本人の知らぬうちに流れ流れて南アフリカで大評判、反アパルトヘイトの象徴になっていた、という嘘のような本当のお話のドキュメンタリー。題材はかなり面白いのですが、記録映画にするにはちょっと時機を逸した感もあり、ドラマ化した方が良かったのかも、という気が。

主人公のシンガーが黒人ではなかったことが、当局の規制をすり抜け、南ア国内の反アパルトヘイト支持の学生たち(白人)から広まるという展開を生んだとのことでしたが、それを観ていて思い出したのが、かつてフィルムセンターのギャラリートークで聞いた元ヘラルドの坂上直行氏の「『小さな恋のメロディ』は南アフリカでもヒットした。」という発言。あの作品も確かキャストは全員白人だったはずで、内容は反体制を醸し出しているし、製作時期(1971年)も近いので、似た因子を持っていたのかなぁ、と感じました。

グランド・マスター」。ありゃぁ、これはすっかり忘却の彼方、今となってはほとんど覚えておりませんな。

冒頭の雨中の拳闘シーンとかは色調は美しかったけれど、クローズアップが多すぎて、今ひとつ何しているんだかわからないって感じ。お話そのものもグダグダで、史実(登場人物の基礎知識)を知らないと意味不明のエピソード(床屋のシーン)もあったりして、映像の美しさには眼を見張るものの、それだけではなぁ。キャラクターは立ってても、それ以上の踏み込みがなかったような印象が残っております。日本は悪役ではありますが、案外控えめな描写。

ちなみに自分はウォン・カーウァイは初見であります。

オブリビオン」。この後に観た「エリジウム」もそうなんだけれど、作り手は未来社会のヴィジョンを手間暇かけてきっちりと構築して見せてくれるのに、観客である自分の琴線にはどうも響かないのが、我ながらもどかしい。

CGに麻痺しちゃって贅沢病にかかっているのだろう。好みの設定、世界観、ストーリーなのに、既視感の囚人と化してしまい、面白がれない自分が面白くないという無限ループの2時間。「ワンダー」が足りない、と批判することもできるんだろうけれど、それだけではない気もしました。リバイバルで観た「2001年」のスリットスキャンに圧倒された10代の感受性はもう戻らないんだな。

チラシはトム・クルーズ単独主演作にしてはいつもの顔のアップではなく、彼のハリウッドでのポジションも少しづつ変化している予感。


スプリング・ブレイカーズ」。宣伝のビジュアルから「ワイルドシングス」ぽい、ティーンの犯罪映画を(エロ含みで)期待したのですが、「ワイルド」と比べるとかなり青春モノ寄りで、物語もひねりがなく、やや肩透かし。

青春モノとしてはスプリングブレイクの乱痴気騒ぎのショットとかいい雰囲気だし、少女たちが切なさを吐露する部分もいいといえばいいのですが、どうも中盤からの櫛の歯が欠けていく展開が、何の工夫もないというか、適当というか…ラジオの深夜番組で「○○放送(←地方局名)をお聴きの方はこの時間まで」といわれているような感覚。まぁいずれにせよブリトニー・スピアーズあたりをネタに使っている時点で、自分のようなオッサンは判ったふりしちゃいけませんな。オッパイに釣られて失敗、の一席。

リアル~完全なる首長竜の日~」。黒沢清監督は昔DVDで観た「回路」がどうにも難解で、以来何となく敬遠していたのですが、メジャーなキャストとSFっぽい掴みに引かれて行ってみた。

う~ん、個人的には「ブレインストーム」的な展開を期待していたのですが、どうも出だしから雰囲気が変で、案の定の♪心の旅がはじまるぅ~な流れに、テンション急降下。好きな人にはたまらないのでしょうが、どうもこの手は苦手でして。ひたすらどんより。主演の二人も頑張っているんですが。

最後に使われるCGも、それまでの異世界演出に合わせた色調、といえるのかもしれないけれど、ちょっとなぁ。

炎のランナー」。初公開の時、テレビの映画紹介コーナーの映像(競技中に転倒するシーン)を観ただけで、なぜか涙が出たという、後にも先にもない不思議な経験をした作品。

30年ぶりの再会でしたが、もともとが昔の話のうえ、奇をてらった演出もないことから、さしたる違和感もなく楽しみました。音楽は当時は斬新だったかも知れないけれど、もはや古典だもんなぁ。画質もデジタル臭をあまり感じず、満足満足。

この年齢になって観返すと、スポーツ映画としての美しさだけではなく、イギリスの階級社会の悪弊、アマチュアリズム、さらにはハリウッドにおけるユダヤ系の影響力の強さ等々、思いをめぐらす点が多々あって、より一層味わい深い2時間でありました。やっぱオリンピックは欧州のものだよなぁ。

「炎のランナー」で20年代づいたのか、空いた時間に「華麗なるギャツビー」へ。原作もレッドフォード版も押さえてないのに我ながら無謀だな。

バズ・ラーマン監督は今まで一本も観ていないのですが、昔「ムーラン・ルージュ」の予告で驚かされた派手な演出が、この作品のパーティのシーンでも繰り返されていて、それなりに面白かったのですが、ドラマ部分になると、どうも今ひとつ。特にクライマックスのプラザホテルのシーンは物足りなかったです。デイジーの夫役がちょっと弱かったかなぁ。ネットを見ると、当初はベン・アフレックやブラッドリー・クーパーの名前が挙がっていたようですが、その辺だったら見応えあったのかも。

それにしても、ジェイソン・クラーク、今年はよく見かけたなぁ。

2013年12月2日月曜日

水の中の小さな太陽/燃えつきた納屋(道頓堀朝日座版)

状態が悪くて申し訳ないですが、状態がいいものは
手が届かないのもまた事実。
感想文が続くと疲れますので、ちょっと画像展示でお茶を濁します。
先日「恋のマノン」を観に久々に新宿に出かけたら、ピカデリーのそばに「角座」が。大阪で復活したというニュースを最近聞きましたが、東京にもあるんですね。

「道頓堀五座」という浪花座、中座、角座、朝日座、弁天座を指す言葉があるそうで、芝居小屋の名前ですが、一時期映画館だった劇場もありました。

朝日座も昭和50年代頃は芝居の公演の合間に映画を上映していたことがあり、チラシも独自のデザインが多く、ちょっとハマってしまったのですが、悩ましいのが日程に曜日がないこと。リアルタイムで集めていないといつ頃のものか確証が持てません。「風と共に去りぬ」の阪急プラザ版を調べた時にあわせて確認してみたので、こちらに手持ち分をまとめてみました。まだまだ種類はあるし、「ドラゴン大会」なぞはかなりハードルが高いので、コンプの道は遠いです。

それにしても、これ調べたの今年の5月だもんなぁ。まったくもう…

2013年11月30日土曜日

5月に観た映画

しつこく感想の続きをば。

ラストスタンド」。「ダイハード」の10作目あたりがこうなりそう、みたいなお話で、コンパクトにまとめられた肩の凝らないアクション篇。婆さんがヘルプするシーンとかを観ると、もうちょっと住民たちの活躍があってもいいのかな、とも思いましたが、敵方にとっては主人公の住む街は単なる通過点だもんな。「悪党vs住民」の広がりにはならないか。

シュワルツェネッガーはもともと芝居が上手い人ではないので、台詞回しとかはちょっとツラい感じがしましたが、最後の格闘で体を張った大奮闘をみせてくれて嬉しかったです。興行的にはかつての勢いは望めないのでしょうが、これからも元気な姿を見せて欲しいもの(ヴァンダムもボルボのCMで頑張ってるしね)。
「L.A.ギャングストーリー」。う~ん、これだけ硬派なメンツが揃っていて、やっていることが「J.エドガー」劇中のFBIを礼賛したテレビドラマみたいなノリになっちゃっているのはどうしてなんですかね。画面の色使いが「ディック・トレーシー」あたりを意識しているのかな、とも思いましたので、コミックか何かの雰囲気を狙ったのかもしれませんが、「L.A.コンフィデンシャル」に魅せられた自分としては、お子様向けの安っぽさにしか感じられず、どうも納得できません。

それにしても「ギャングストーリー」って邦題はねぇだろ。これじゃギャングが主役じゃん。原題のsquadはどこに消えた?チラシもHPも原題の表示がないなんて、昔の東宝東和みたいで、変な意味で嬉しくもありますが…
ワーナーは「ゼロ・グラヴィティ」の2種類目のチラシがマークどころか社名すら載せていないし、何を考えているのかな(無印良品ですか?)。
レイダース/失われたアーク」。この辺はかつて廉価版のビデオを繰返し観ていたので、懐かしさとか新発見とかはないのですが、大きな画面といい音響で観ることができるのはやっぱりありがたいです。これでしょっぱなの岩の玉が支柱つきのオリジナルだったらいうことないのですが、それは無理ですね。

観ながらずっと考えていたのは、何だかんだいってこの時代はまだまだアナログだったんだなぁ、ということ。4作目とかはすっかりCG大会で、画面は派手だけれど、「はいはい。凄いですねぇ(棒)」と、嫌な客になってしまったのですが、1作目の車の追跡シーンは「そういやインディを殴るオッサン、スタントマンが直にやったんだったけか(記憶違いかも)」とか考えつつも「お、スゲェ」と身を乗り出して観てしまいます。公開当時は、アーク開封の特撮ばかり「凄い凄い」と思っていたのに、変われば変わるものだ。
「リンカーン」。ダニエル・デイ=ルイス、3度目のオスカー、って一人でそんなに貰っていいの?こりゃ生涯ふたケタ受賞あるで、と少々斜に構えて出かけましたが、そんな意地悪な見方を吹っ飛ばす熱演で、失礼いたしました。別に本人が猟賞活動している訳じゃないし。でも、最近「REDリターンズ」の予告編を観る度にマルコヴィッチが1回も貰えていないという不条理を感じるので、まぁいろいろと難しいですね。

本編ですが、生涯を俯瞰する伝記的なものではなく、奴隷解放に関する法案の審議・採決に的を絞った構成で、最近のアメリカ議会のねじれ現象も彷彿させて興味深く、非常に面白く観ることができました。陳情を受ける大統領の姿は「ゴッドファーザー」冒頭のマーロン・ブランドみたいで、ロビー社会ですなぁ。「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら、堅い板に力をこめて、ゆっくりと穴を開けていくような仕事です。」という言葉を思い出した一編。

中二病を発症して数十年、日本映画の食わず嫌い(特に情緒的な作品)を続けてきましたが、寄る年波による心境の変化か、木下恵介生誕100年を記念した上映を当地のMOVIXでもやっていたので、時間が合った作品を2本ほど。

二十四の瞳」は終わってみれば2時間半の大作だったのですが、構成がしっかりしているのか、少しも飽きさせることのない、見応えのあるドラマでした。戦後10年も経たない製作ということもあってか、「戦争はもう懲り懲り」というスタッフ・キャストの感情が生々しく伝わってきて、昨今の教科書的な、あるいは政治的な意図が見え隠れする作品とは別物ですね。
楢山節考」は実験色の強い作品で、今の眼から観ると、逆に古臭さを感じなくもない点もあるのですが、セットの懲り方も半端なく、日本映画の黄金期の力強さが伝わってきます。作品のテーマが当時の自分の心境と重なる、という個人的な事情もあったので、感慨深い鑑賞でありました。

と、いうことで、もう少し日本映画も、特に古いのは観ておきたいなぁ、と思うのですが、機会はなかなかないですね。新作は…というと、予告編を観る限り、映画より「日本映画ダメ絶対bot」の方が面白く思えてしまうのが困ったものです。

2013年10月20日日曜日

007ゴールドフィンガー/女王陛下の007(セットチラシ版)

ダラダラと続けているユナイトマークの話、007シリーズも外せないとは思うものの、コネリーボンドの初版は「ダイヤモンドは永遠に」しか持っていないようなレベルですので、セットチラシについて少々。

はじめて映画館で観た007、「ユア・アイズ・オンリー」の前売特典が全12作のチラシセット。やっぱり…という感じの再版ものでしたが、当時は嬉しかったものです。

それでも気になったのが「ゴールドフィンガー」と「女王陛下の007」。「ゴールド…」は手持ちのリバイバル版とはデザインも裏も異なるし、「女王陛下」は全体にボケていてかなり怪しい作り。

「ゴールド…」についてはいまだに正体が分らないのですが、ひとついえるのはセット版のチラシはユナイトのロゴが「ユア・アイズ…」当時使われていたものと同じ(「屋根の上のバイオリン弾き」のエントリーで紹介した1976年4月以降に使用)ということ。「ゴールド…」のリバイバルは1971年7月。「追跡者」の不振のリカバリーでメインの日比谷映画はわずか2週間の上映(他館もあわせれば4週間)で、それ以降は未確認ですが、少なくともセットチラシのデザインがこの時期に出たということはあり得ない、ということになります。ロゴマークを古いままやり過ごすことはできても、未来のマークが過去にさかのぼることはない訳で。後は76年4月以降に公開されたか…ということになりますが、「二度死ぬ」のリバイバルが1976年6月なので、二本立として上映された可能性もゼロではないものの、今のところそれらしき情報は発見しておりません。

さて、「女王陛下の007」ですが、表は画面では見えにくいかもしれませんが、イラストの右隅(「女王陛下の」の「の」の右あたり)に「映倫」のマークが入っています。メジャー系のチラシに映倫マークが付いていることはほとんどないので、これは大方の予想どおり、初公開時のポスターを縮小したものでしょうね。ユナイトのTマークも右側ですし。

裏については、ルイ・アームストロングが故人になっている(1971年7月6日没)点やテリー・サバラスについて「刑事コジャック」(日本では1975年9月放映開始)に触れている点からみて、初公開の文面ではないな、と分ったものの、ではリバイバルかといえば、一時期ユナイトのラインナップに載ったことはあるようですが、キネ旬や映画年鑑にはリバイバルの形跡はなし。ネットに「テレビ初放映(1979年4月)にあわせてプリントが焼かれ、二番館に配給された」という情報があったので、当時の雑誌を調べてみたところ、確かに1979年1月から4月にかけて全国の名画座で上映されていたようです。同年6月辺りで他のシリーズ旧作の上映も止めているよう(違っていたらゴメンなさい)なので、観た人は少ないかも。

裏面の元ネタはなんだろう…と、ずっと疑問に思っていたのですが、つい最近になって「ロードショー」の1978年1月号の付録「007シリーズ全10作チラシ・コレクション」にこれと同じものが出ていることを発見。「私を愛したスパイ」公開時に作られたものですから、付録とはいえ名古屋で「ムーンレイカー」公開記念で配布されたのよりもさらに前の話ですね。付録の複製チラシは当時は興味がなったし、チラシを集め始めたのは78年のGW以降だったので、盲点でした。

こちらでちょっとまとめてみましたが、セット版「女王陛下」裏面の謎の黒枠もこの付録の裏面とピタリとはまるので、これが元ネタのような気がしてならないのですが、これより古いネタをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただけますと、嬉しいです。「ゴールドフィンガー」の元ネタ情報もぜひお願いします。永年の疑問でして…

※2013.11.4追記 当初「ゴールドフィンガー」のリバイバルを2週間、と書きましたが、日比谷映画が2週間で、同時に封切った新宿プラザは4週間、日比谷映画を継いだ渋谷宝塚と池袋劇場は2週上映しておりました。

2013年9月14日土曜日

屋根の上のバイオリン弾き/チキ・チキ・バン・バン(76R)

70年代のリバイバル上映に同一デザインの使い回しが多いことは、「卒業」「荒野の七人」のエントリーで書きましたが、見分けるポイントの一つが配給会社のロゴマーク。

ユナイト映画も60年代後半からロゴがいろいろ変わっています。自分は70年代後半から映画を観始めたので、どうもユナイト映画はこのマークがついていないとユナイトっぽさを感じないのですが、この”T”をかたどったマークは当時の親会社、トランスアメリカ社のものでユナイトそのものとは無関係。

当時のチラシを確認しますと、このTマークが右から左に移ったのは1973年7月公開の「007死ぬのは奴らだ」あたりからのようです。

とはいえ、リバイバル作品の場合、この修正が必ずしも徹底されていなかったよう。「屋根の上のバイオリン弾き」(初公開は1971年12月)は76年上映時(縦型のデザイン)は左にありますが、80年の上映時は初公開のものをそのまま流用したせいか、マークが右のままです。この時の上映状況を考えると、急遽決まった感じも受けるので、封切時の版下をそのまま使ってしまったのかもしれません。「屋根の上…」については再版ものもありますので、こちらにまとめてみました。

分らないのが「チキ・チキ・バン・バン」のリバイバルで、テアトル東京で公開された時(1976年3月)はとっくにTマークが左にあるべきなのになぜか右に。他の地区の公開(70㎜マーク)は左になっています。なぜこの時期にこのロゴが使われたのでしょうか。前からリバイバルを準備してチラシだけ作っていたとか?

謎といえば謎ですが、どうでもいい話ですよね。

この際なので、さらに細かい話をしますと、トランスアメリカ社についての表示は76年4月頃より、”Entertainment from Transamerica Corporation”から”A Transamerica Company”に変更されています。調べてみると、コーポレーションとカンパニーの違いはあるようなのですが、英語にはとんと疎い自分にはよく分りませんでした。
「チキ・チキ・バン・バン」(1976リバイバル)
チラシ右下部のユナイト社ロゴ。
上がシネラマ版、下が70㎜上映版です。
日本も最近は合併が増えて、足し算みたいな社名の会社が目立つようになりましたが、企業買収が恒常化しているあちらではよくある変更なのでしょうね。

トランスアメリカ社については例の「天国の門」(1981年公開)の問題が起きてから、ユナイトからは手を引いており、「屋根の上…」の1982年上映時のチラシには同社の表示は消えています。

2013年7月16日火曜日

愛情物語(三越文化劇場版)

 東京、大阪、名古屋、札幌と比べると情報が極端に少ないのが神戸の「三越文化劇場」ですが、今回別のネタを調べるため「プレイガイドジャーナル(ぷがじゃ)」のバックナンバーを図書館で眺めていたところ、少しだけ分ってきたので、サクッとご報告。

どうも映画を上映していたのは1982年4月から84年1月末までのようで、他の劇場より活動期間は短かったようです。といいますか、三越神戸店自体が84年2月に閉店してしまっているので、仕方ないところ。

ひとまずラインナップをこちらにまとめてみましたが、「ぷがじゃ」は月刊誌でしたので、情報の正確性は万全ではなく、例えば83年10月は「マイ・フェア・レディ」になっているのですが、実際には「アラビアのロレンス」が上映されている…といった感じ。あくまで暫定版ということで、ご了承ください。

自分が持っているのは画像の2作のみ。この2種ともB5二つ折り(「イノセント」はそれよりさらに小さい)になっているのですが、不思議なことに二つ折りでありながらなぜか裏面は無地になっています。

配布が通常と異なっていたのかな?何かとの折り込みだったとか?もしご存知・ご記憶の方がいらっしゃいましたらご教示いただければ幸いです。

秘蔵!洋画チラシ全集」には上述の「アラビアのロレンス」と「普通の人々」が掲載されているのですが、それ以外は見かけたことがありません。他には出なかったのでしょうか。

ラインナップを見ると、出ていたらいいなぁ…と思う作品(「ピクニック」とか)もあったりするのですが、実際はどうだったのか。発掘(?)を期待したいところであります。

2013年2月24日日曜日

エデンの東(三越名画劇場版)

永年の疑問にちょっとチャレンジ。
80年代に続々と作られた、三越劇場(札幌、東京、名古屋、大阪、神戸)の独自柄チラシ。どれだけの種類があるのかもそうですが、どんな作品が上映されたか、いつ頃の公開かもデータが乏しく、ハッキリしません。
星ヶ丘三越(名古屋)はかつて地元に住んでいた際に地域紙の縮刷版でおおよそは把握できたのですが、北浜(大阪)、神戸は縮刷版がないので断念。
札幌もさすがに北海道へ飛ぶわけにも行かず、あきらめていたのですが、関東に転勤したのを機に調べてみたところ、都内に北海道新聞の縮刷版を置いてある図書館があることを知り、今回ようやく確認できました。

三越名画劇場はデパート内ではなく、1980年4月25日に落成した「ホテルアルファ・サッポロ(現ホテル・オークラ札幌)」の地下1階にホテルと同時にオープン。新聞記事によると、数は63と少ないものの、ファーストクラスより幅広い座席はリクライニング付きで、フロア全面にカーペット、と高級志向。景気のいい時代でした。

全部を調べる時間はなく、ひとまずオープンから1999年までの上映リストをまとめてみました(80年代はここ90年代はここ)。公開日がなくていつ頃か分らなかった「エデンの東」は1981年と判明。個人的には桂小金治か島田紳助の人探し番組に出た気分。いやぁ嬉しいです.。
ただ、流通している他の独自柄は86年頃から出ており、「エデンの東」だけ屹立している印象。オープンから85年までの時期にまだまだ知らない柄があるのかな?やはり奥は深そうです。

2013年2月12日火曜日

甘い生活/山猫

1982.6.12リバイバル時のもの
1月は「午前十時」の遠征を2本。ふだんアート系作品は遠慮することがほとんどなのですが、せっかくということで行ってみました。

甘い生活」。フェリーニは若い頃に数本、午前十時で「道」を観ていますが、う~ん、どうもピンと来ないんだよなぁ。退屈とかいうことはないんだけれど、後を引く、もっと他の作品を観たくなるような気持ちにもならないのはどういう訳だろう。

この作品も観ている間、「こういう表現って、当時は斬新だったんだろうな。」と頭では分るシーンがいくつもあるのだけれど、なぜか他人事の気分になってしまい、いまひとつのめり込めない。キリスト教的社会観になじめないから?単なる相性?う~ん、わからん。

それにつけてもアヌーク・エーメは美しいなぁ。以前はスチル写真で「怖そうな、濃ゆい美人」という印象を持っていたのですが、午前十時の「男と女」であっさり覆されてしまいました。この作品も白黒のコントラストで美しさがいっそう際立っておりました。眼福眼福。

ということで、数は少ないですが、彼女の50~60年代の出演作のチラシをこちらにまとめてみましたので、興味のある方はどうぞ。
1981.12.5オリジナル完全版公開時のもの

山猫」。毎度毎度恥を偲んで告白しますが、ヴィスコンティは貴族の没落とか少年愛といったテーマがどうも別次元に思えて、1本も観ておりませんでした。

いやぁ、久々に凄いものを観てしまった、というのが率直な印象。日頃「映画の入場料は高い」と感じることが多いのですが、この作品ばかりは「1,000円は安すぎる」と思いました。月並みな表現ですが、「動く泰西名画」とはまさにこのこと、画面の隅々まで監督の美意識が行き渡っていて隙がなく、圧倒されました(何度か意識が飛んだのは内緒)。それとバート・ランカスターの存在感の素晴しさ。昔「家族の肖像」のチラシを入手した時、「なんでこんな映画にこの人が?」と思いましたが、こんな演技をされたら再オファーが来るよなぁ。

という訳で、食わず嫌いを猛省し、もっとヴィスコンティが観たいなぁ、と思いましたが、こればかりは自宅のしょぼいテレビでは意味がないわけでして。次に出会えるのはいつになるのやら。

「甘い生活」も「山猫」も、初版のチラシは欲しいのですが、比較的割安なアート系作品も、この辺は別格で手が出ません。それにしても「山猫」初版のランカスターの格好、あれは貴族というより農夫だよな、どう見ても。

2013年1月27日日曜日

サン・スーシの女

ブログを始めるようになって、以前から気になっていたことを調べるようになったのですが、1984年公開のヘラルド・エース配給作品「サン・スーシの女」のイラストもそのひとつでした。

80年代中盤になると、都内にミニシアターが増えてくるのですが、これもキネカ大森のオープニング作品で、他にもいくつか同じ方が手がけたイラストのチラシがあって、この路線が続くのを密かに期待していたのですが、残念ながら3作ほどで終わってしまいました。

描いたのは毛利彰。60年代に伊勢丹の広告で活躍、70年代にフリーとなり、広告や本のカバー、挿絵等で活躍された方で、「歴史群像」の武将の肖像画、角川版の「火の鳥」の表紙、80年代後半のミスドのノーマン・ロックウェル調のボックスアートなどをご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。

惜しくも毛利氏は2008年に亡くなられたのですが、「実験人形ダミー・オスカー」で有名な叶精作のブログによると、朝日新聞の追悼記事(残念ながら縮刷版では該当記事は見当たらず)に、「『芸術という言葉が嫌いだ。銭湯の富士山を立派に描く人を尊敬する。自分の仕事はそういう仕事』...と語った。注文を受けて売れる絵を描く。いずれは消える商業イラストをきちんと仕上げる。それを誇る職人だった。」とあったそうです。

そう思ってこのチラシをあらためて観てみますと、実はロミー・シュナイダーの図案はその後発売されたビデオのジャケット写真と同じものを基にしているのですが、広告として必要な職人的な写実性と商業イラストの枠に収まりきらない芸術的な色彩感覚が混じりあって、「なるほど『富士山』だなぁ」と感じた次第です。氏の他の作品をこちらにまとめさせていただきました。
大橋氏は制服関係にも造詣が深く、
大阪万博のコンパニオンの制服についての
著書や昭和ウルトラシリーズの女性隊員
の研究本「ウルトラヒロインズ」(角川書店)
の編集を手がけており、こちらもなかなか
面白く、お薦めです。

今回のエントリーを書く過程で知り、参考にさせていただいたのが、「SF挿絵画家の時代」(大橋博之)という本。SFマガジンで連載されているSF小説の挿絵を手がけた画家を紹介した記事をまとめたもので、総勢71名のプロフィールが掲載されています。

個人的にSF小説は少年ドラマシリーズがらみのジュブナイルか、高校生の頃に読んだ筒井康隆の文庫本や映画の原作くらいしか縁がなく、小松崎茂や石原豪人といった有名どころはともかく、毛利氏はじめ大半は名前すら存じ上げていない方ばかりだったのですが、SF小説の仕事を基軸としているものの、児童文学や金田一シリーズといった推理小説、果てはプラモデルやおもちゃのボックスアートまで、と幅広い仕事が紹介されており、その仕事に就いた過程や職業観を含め、非常に面白く読むことが出来ました。商業出版の制約上、図版が少ない、小さいのは残念(ジュブナイルの図版は近々まとめた本が出るようですが)ですが、この種の本は少なく、大変な労作だと思いますので、興味のある方はぜひ一度手にとってみることをお勧めします。

映画の広告図案についても、こういった本が出てくると嬉しいのですが。

2013年1月18日金曜日

パーフェクト

小ネタをもう少し。

「映画チラシと共に」で話題になった「パーフェクト」の稀少柄について。
チョコさんが書かれていた「一部の地域に集中して出回った為に希少」という説は、自分も「お宝ブーム」期のムックで読んだ記憶があって、今回チラシとともに探してみたのですが、見つかりませんでした。とりあえずチラシそのものはサルベージしましたので、アップします。

このチラシ、年末に2件ほどヤフオクに出ていて、出品者の口上では試写会で配布されたようなことが書かれていましたが、どうなんでしょう。確かに通常版の2種類にある本国ポスターと同じコピー「ロサンゼルス。ヘルスクラブでは汗よりSEXを求めて―?」はなく、おとなしい雰囲気で、先行版ぽいつくりです。
 自分が持っているチラシには館名が入っています。裏面のデザインはすべて同じですが、通常版は薄い青色で、これだけ黒色です。

館名はいわゆる「全館」というヤツで、特定の館というものではありません。通常版と色は同じ(赤)ですが、少し小さめの表記になっています。大・高・中の料金欄が塗りつぶされていますが、通常版と金額は同じなので、なぜ黒塗りなのかはちょっと謎です。

この裏面を見る限りでは「一部の地域」というのがどこなのか(地方単位なのか、映画館単位なのかを含めて)分りません。この辺について何かご存知の方がいらっしゃっいましたら、教えていただけると非常に嬉しいです。

2013年1月13日日曜日

ザ・ドロッパーズ

松の内もとうに過ぎてしまいましたが、本年もよろしくお願いします。

年末は実家で寝正月でしたが、1日だけ遠出して九州国立博物館と太宰府天満宮へ。国立つながりなのか、フィルムセンターでこの8日から実施されているポスター展「西部劇の世界」のチラシがありましたので、ご紹介。3月末までの開催だそうですが、連動企画で映画も上映してくれませんかね。

少し時間があったので、屋根裏部屋に押し込んだ段ボール箱から何かネタはないかと暗闇の中、捜索してみたのですが、狙っていた昔のチラシ本(講談社のチラシ全集やお宝ムック類)は見つからず。寒いわ暗いわ埃は舞うわで早々に撤収。

それでも80年代、90年代のファイルは発見したので、帰省土産がてらに小ネタをひとつ…


前回のエントリーで「ザ・ドロッパーズ」に触れた時に思い出したのが、この作品のチラシの写真流用疑惑。タイトルの左上にある2台の車、見覚えがないでしょうか?

そう、これは同じ東宝東和で配給された「キャノンボール」のもの。こちらのとおりタテ型のチラシの裏面に掲載されているものと同じです。どちらかが裏焼きなのですが、流用されたことは間違いないですね。
まぁ、若者向けの映画の宣伝に美女と車は不可欠、ということで無理やりくっつけたのでしょうが、リアルタイムでこれを発見した時はイラストのチープさとあいまって、ちょっとガッカリしたものです。気づいた人も多かったのではと思いますが。

ということで、今年もネタが続く限り「チラシの裏」なたわ言を書き連ねてまいりますので、お付き合いいただければ幸いです。

2012年12月28日金曜日

センチメンタル・アドベンチャー/目撃者

今年もシアターN渋谷はじめ、いくつかの映画館の閉館(予定も含む)がニュースになったのだけれど、シネパトスは東京で映画を観ていた頃は洋ピン専門館だったはずで縁がありませんでした。

浅草中映も、浅草という街自体が池袋発の私鉄沿線に住んでいた自分にはアクセスしづらく、東京クラブやキャピタルといったところも含めて行かずじまいでした。「ぴあ」に載っているラインナップで、時々「こんなのフィルムが残ってるんだ…」という古い作品が三本立に挟まっていて、気になることはあったのですが、あちこちに名画座があったあの時代、通学定期からいくら交通費を乗せるかが大きな問題で、行き先は池袋や高田馬場、新宿あたりに偏る訳です。

センチメンタル・アドベンチャー」が東京ではロードショーがなく、地方の二本立の「添えもの」だったのは有名で、自分は池袋文芸座の「イーストウッド大会」で「ブロンコ・ビリー」と一緒に観た記憶があります。

そんな上映経緯のせいか、通常のチラシが存在せず、あるのはホール上映か、この画像のような館ニュース。これは浅草キャピタルのものですから、本来は「名画座のラインナップ」なのですが、通常版が無いために珍重されています。このチラシには曜日表示が無く、年代特定が難しいのですが、封切(KINENOTEでは1983年4月26日)より前の日付で、「ザ・ドロッパーズ」(1983年10月公開)がありますので、1984年以降のものと考えられます。

※偽造品防止のため、コントラスト等修正しています。
面白いのがこのチラシの裏面が、同じくまともに公開されていない「目撃者」だというところ。この辺、映画館の意欲がうかがえて、好感が持てますね。

「目撃者」は未公開チラシとして紹介された記事を見かけた記憶があり、ネット上でのはっきりした公開データが見つからなかったのですが、キネ旬増刊「世界映画作品・記録全集」の1985年版に「1983年1月22日千葉市内」との記述がありますので、これも「センチ~」同様、地方の二本立の「添えもの」として上映されたのでしょう。

こちらは1枚もののチラシが存在しますが、FOXスクリーンフレンドで販売していましたので、その手のルートで流通しているものが大半なのではないでしょうか。実際に映画館で配られたかは、個人的にはちょっと疑問です。

ワーナーやFOXがこの手の地方向け二本立作品のきちんとしたチラシを作りはじめたのは85年以降なので、少しだけ時代が早すぎたわけで、「センチ~」の通常版がないのは、パンフレットがあるだけによけいに残念です。

2012年7月15日日曜日

タイム・アフター・タイム/ピルクスの審問

対象を広げすぎると収拾がつかなくなるので、ホール版や地方版はなるべく手を出さないようにしているのですが、何かのきっかけでハマってしまうことがままあるわけでして、SABホールを集めるようになったのも、このチラシがきっかけです。

ムックかショップのカタログか何かの広告にチラッと一部が写っていて「なんだろう」と思ったのがきっかけだったように思います。「タイム・アフター・タイム」は好きな映画でしたし、「ピルクスの審問」というタイトルは初耳で、その時に何かした訳ではなかったものの心のどこかにスイッチが入ってしまったんでしょう。

で、関西に住んでいる時に、ショップで何となく集め始めたのですが、ヘラルドクラシックスやIP作品にのめりこんでいるうちに北浜の三越劇場やSABホールといったところに関心が湧いて、「まぼろし映画館」というサイトにたどり着いたのが運のつき。積極的に集めはじめてしまいました。ホール系では人気の青梅や越谷、豊中といったものはほとんど持っていないんですが、どうしてこうなってしまったんだか。

せっかくなので、このチラシを企画した「関西エキプ・ド・シネマ」の独自柄のチラシをこちらでまとめてみました。必ずしも毎回独自柄を発行していたわけではないので、全貌がわからないのですが、ここにない独自柄をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報提供をお願いします。というか、「関西エキプ・ド・シネマ」の情報自体がネットでは全くないのが現状で、もうちょっと何とかならないかと思います。

それにしてもデビッド・ワーナー(「タイタニック」でいきなり再会したときは、すごく嬉しかった!)をここまで大きく扱ったチラシなんて他にないですよね。それだけでも個人的には価値大です。

※H24.7.21追記 チョコさんより第26回「現代ドイツ映画祭」、第28回「ソビエト4大作家展」、第35回「R.W.ファスビンダー特集」の画像を提供いただきましたので、追加させていただきます。ありがとうございました。

2012年6月18日月曜日

サウンド・オブ・ミュージック

初公開時のチラシ(B5三つ折)
1965.6.21に丸の内ピカデリーにて封切、11.13に東劇・新宿ピカデリー・渋谷東急で拡大公開、
12.25に丸の内松竹に引き継がれ、翌年2.18に終了。堂々36週の大ロングラン興行でした。
いつもお世話になっているkussy's Movielandさんの投稿掲示板がめでたく5周年となりましたので、遅ればせながらお祝い企画として、管理人のkussyさんが大好きな「サウンド・オブ・ミュージック」の特集を。といっても、この名作は(当然のことながら)数限りなく上映されていますので、70、80年代に20世紀FOXが東京23区内の映画館でリバイバル上映した時のもの、のみに絞った小特集です。こちらにまとめてみました。
手持ちのものの分かった範囲でなので、抜けがある可能性が高いです。「まだあるよ」との情報をお持ちの方はぜひともご連絡を願う次第です(これらのリバイバル版には少々謎の品が流通しており、この辺は後日また触れます)。

65.12.25京浜地区拡大公開時。ジャケットサイズ三つ折。
こうやってあらためてリバイバルのチラシを眺めてみますと、デザイン的には大きな変更はないものの、裏面の文章が時代に合わせてリライトされていて、FOXがいかにこの映画を大事にしていたかが窺われます。「クレオパトラ」で傾いた会社を(「史上最大の作戦」とともに)救った作品ですからね。

恥ずかしながら映画館で観たのは昨年の「午前十時」が初めてだったのですが、小学校の時に「日曜洋画劇場」で観た時の感動が素直に甦り、映画はもちろんのこと、そのことにも感動しました。

いろいろな意味で息苦しい時代になっていますが、そういう時こそこのような名作で心を洗って、明日に向って生きていきたいものです。

また、ここに来てくださる方の大半はkussyさんのサイトによって知った方だと思いますが、もし一度も行ったことがない、という方であれば、今すぐでもお訪ねいただき、もはやlandというよりworldといったほうが良いような広大なチラシの世界を楽しんでいただければと思います。

kussyさん、これからもよろしくお願いします!

H24.9.30追記 1978年4月にも有楽町スバル座で上映されていました。上記に書いた「謎の品」の件もあわせ、下記エントリーも参照いただければ幸いです。

「サウンド・オブ・ミュージック(の怪談)」
「サウンド・オブ・ミュージック(その2)」

2012年6月3日日曜日

キョンシーズ(新・キョンシーズ)

最近、エントリーが長文化してるなぁ。今回はサクっと。

コレクションの動機は人それぞれだと思いますが、自分の場合、チラシ本やネット、ショップの店頭で「あ、これ持ってない」と思うとすぐ手が出るくせがあって、手に入れた後で「このチラシは何なんだ」と疑問に思うことが多いです。特に80年代後半以降の「珍品」といわれるものとか。

そのひとつが、この「キョンシーズ」。「大全集」とかには載っていないんですが、コレクターサイトかお宝紹介のムックとかに出ていたんでしょうね。手に入れて裏を見ると、劇場欄がぽっかり空欄。ホール上映用なんでしょうか。でも、しっかり「配給 大映」と表示が。う~ん、分からん。

さらに分からないのが、このタイトル。「キョンシーズ」という題名で劇場公開された作品のデータは見つからないのですが、1986年にテレビ放映された「幽幻道士」(原題「疆屍小子」)のビデオ題が「キョンシーズ」で、しかも発売元は大映。もちろんこのチラシの作品とは別物です。いったい何がどうなっているのやら。
チラシの裏面。かなりスペースが
空いていますが、埋まっている物
をお持ちの方はぜひご一報を。

今回、スタッフやキャストを手がかりにいろいろ検索してみたところ、どうも「新・キョンシーズ」というタイトルでビデオ発売された1988年製作の映画のようです。

功夫電影専科”という功夫映画作品を紹介するサイトにしっかりレビューされていました。世の中、凄い方がいらっしゃいます。

ちなみにこの作品、日本と香港の合作ですが、日本側の製作者である染野行雄氏はご健在で、最近では「イップ・マン-葉問」や「三国志英傑伝 関羽」といったドニー・イェン主演作等を提供しています。

それにしても、この時期の大映ってレアチラシがやたら多いんだけれど、この作品はどういう事情があったんですかね。何かご存知の方がいらっしゃったら、ぜひご連絡を。

2012年5月29日火曜日

BOGEY SPECIAL

ヘラルド映画の業績の中で、個人的に忘れがたいのが「ヘラルド・クラシックス」です。
1984年に権利がらみで長い間封印されていたヒッチコックの作品(「裏窓」や「めまい」等)が再公開されて反響を引き起こします。それに味を占めたCICが名画座ミラノでMGMのミュージカルを連続上映したところ、これも盛況、第2弾も銀座文化で、さらには有楽座・日比谷映画のさよならエスティバルだ、「ジャイアンツ」だ「戦争と平和」だ…と、今までスクリーンでお目にかかれなかった作品たちが続々と観られることになり、喜んで映画館に通ったことを覚えています。

そこに鉱脈あり、とにらんだのか旧作を一気に買い付けたのがヘラルド。最初、キネ旬でラインナップを見たときは「本当?16ミリじゃないの(失礼)」と思ったほど。ちょうど就職と重なって、それまでよりは思うようには行けなかったのですが、本当にありがたかったです。

とはいえ、チラシコレクターとしては個別のチラシがほとんど出なかったのは残念で、当時はこれらの特集物は「外れ」扱い、熱心に追っかけることはありませんでした。

ミレニアムを過ぎてからでしょうか、この辺のチラシに再び興味が湧いたのは。当時、少しだけですが名古屋に住んでいて、せっかく名古屋に住んだんだから、記念に「星ヶ丘三越」のチラシを集めよう、といろいろと探しはじめたのですが、やってみると、この種の特集上映も地方によってデザインが違っていて面白い。しかも安い。

チラシ本は「大全集」がリファレンスに
なっていますが、他の本でもたまに興味
深い記事に出会えることがあります。
さらに影響を受けたのが、たまたま古本で入手した近代映画社の「洋画チラシカタログ1149」の中にあった記事。ヘラルド映画の谷川建司氏が「チラシ宣伝以上あり!」というタイトルで、チラシのディレクティング(おおざっぱに言えばプロデュースって感じでしょうか)について書かれているのですが、これに興味を惹かれました。限られた予算でどのように作品の魅力を伝えるかの一例としてあげていたのが、上のBOGEY SPECIALです。確かにこの種のチラシ、予算が少ないのはまる分かりなのですが、そんな中で写真の選択やトリミング、配置、コピーに工夫を凝らしているものも多く、バラエティに富んでいて飽きることがありません。最近はネット・オークションで地方独自のものが見つけやすくなったことも拍車をかけて、この「ヘラルド・クラシックス」は自分にとって大事な蒐集テーマになっています。

ちなみにこの谷川氏、現在は何と社会学者で、早稲田大学の客員教授です。大阪時代、ジュンク堂で「アメリカ映画と占領政策」という本を見つけたときに、著者の名前を見て、ひょっとして…と思ったものの、当時は結びつける情報がありませんでした。

今回の記事を書くにあたって調べ直したところ、ご本人のプロフィールに勤務歴があって、同一人物だったんだと納得した次第。で、当時5千円という価格に恐れをなして買うのを控えた「アメリカ映画と…」ですが、現在は絶版、アマゾンではプレミアがついている状態。

ぐぬぬ、映画も本もチラシも一期一会でありますなぁ。

2012年5月26日土曜日

ロードショーとスクリーン 外国映画ブームの時代(に行ってきた)


地獄の黙示録の切符売場を復元したもの。
残念ながら撮影できるのはここだけ。
以前のエントリーで紹介しましたフィルムセンターの展示企画「ロードショーとスクリーン 外国映画ブームの時代 」に行ってきました。

展示品は規模の関係もあるのでしょうが少なめで、ポスターもB2サイズが大半。立看サイズとか大きいもの(「世界残酷物語」がありました)をもっとドカーンと見せて欲しかったです。やはり映画館は非日常への入口ですからね。写真展示されていた京都宝塚劇場(ローマの休日)や日比谷映画劇場(007は二度死ぬ)の往時の姿を見ると、よけいにそう思います。

半券、試写状、プレスといった展示は自分のような人間には数も質もあまり新鮮味がないところで、せめて見せ方にもう一工夫欲しかったかな。

予告編集は「エマニエル夫人」は成人版、「Mr.BOO!」も鉄板焼の方と、残ってないのか公開できないのか、苦心のラインナップですが、懐かしくて良かったです。「地下室のメロディ」の和室で挨拶するアラン・ドロン、なんてのもありました。

入場料200円に高望みしても…とは思うものの、国立ですから、税金ですから、そこん所、今後は善処よろしく、ということで。

坂上氏は72年入社ですが、学生時代からバイトで
ヘラルドに出入りしており、いちばん最初の仕事は
「枯葉の街」(69年公開)のイメージソング(由紀
さおり)のタイアップを取ることだったそうです。
楽しみにしていた元ヘラルド常務の坂上直行氏のギャラリートークは45分ほど。50近いパイプ椅子の座席は満席。とはいっても上映中の今井正特集から流れてきた方も多く、司会の方も毛色が違うお客さまに少々恐縮気味でした。

この司会(センターの人)が「エマニエル夫人」の頃は生まれていなかったこともあってか、話題が70、80年代中心ということでもなかったのはちょっと残念でしたが、それでも興味深い話を聞かせていただけて、行った甲斐はありました。

メモも取っておらず、正確性には甚だ欠けますので、あくまで文責は私、ということで勘弁願いたいのですが、いくつか紹介しますと…

70年代の頃はラジオ等で映画音楽の人気が高く、宣伝にもなるので、配給会社の側から製作者側へサントラ発売を持ちかけた。日本でしか発売されていないサントラがあるのはそのため。

「小さな恋のメロディ」がヒットしたのは日本と南アフリカ。

「エマニエル夫人」の大ヒットで、「『エマニエルボーナス』が出た」と週刊誌に書かれたが、先輩のレベルでは、全部合わせるとボーナス袋が立つくらい出た。ただ、その分所得税が翌年高くなるので、次の年はヒット作が無かったので参りました。「エマニエル」のおかげで試写室の椅子が良くなり、これが”シネマスクエアとうきゅう”のオープン当初のの売りであった「フランス製シート」につながっている。

「ベンジー」の公開当時はペットを受け入れてくれるホテルがなく、いろいろ探し回った末、東京駅前のパレスホテルがOKしてくれ、犬の記者会見を行った。

「テンタクルズ」の試写は武道館でやったが、売りだった「トレンブルサウンド」の効果を上げるため,にスピーカーを集めまくって取り付けた。「メジャーリーグ」は東京ドームで。スクリーンのサイズの問題だけでなく、字幕も大きくする必要があった。

「コンボイ」は日本では18輪トラックの通行許可が無く、前輪の部分を使って遊園地等でキャンペーンをした。フィルムがなかなか到着せずに焦った。

「地獄の黙示録」は製作が延び延びになり、社内でも議論があったが、古川社長の決断で続けた。何としても成功させたかった。「野性の証明」の海外ロケ取材に来ていたマスコミにフッテージを見せ,協力を取り付けたのは大きかった。「現代の黙示録」(原題)がなぜ「地獄」になったか?かなり早い段階で「地獄」だったので覚えてないです。

「枯葉の街」の裏面。いずみたくが
自身が作曲したインスパイアソングに
ついて語っています。
「氷の微笑」は(次回のギャラリートークに登場する)東和の竹内康治氏に「『微笑』というタイトルでヒットした映画はない」と言われたが、自信があった。

「トゥルーライズ」はふたを開けてみるとコメディで、何とかアクションで売りたくてアクション大作風のポスターを張り出した。製作者や出演者が来日するので、その前日に張り替えたが、彼らは予定より1日早く入国しており、それを見て「訴えるぞ」と怒り出した。が、この映画がヒットしたのはアメリカと日本だけだったので、その後は何も言われなかった。

「WATARIDORI」、あえてローマ字表記にしたのは自分が観たときの勘のようなもの。

「ロード・オブ・ザ・リング」は邦題をどうするかかなり迷った。「指輪物語」でも良かったが、何とか映画の広大なイメージを出したかったので、原題どおりにした。高額で購入した作品の邦題であり、かなりプレッシャーがあった。

並べて書くと、自慢話の羅列のように思われるかもしれませんが、ご本人は至って謙虚で、「いろいろ皆さんをダマしたようなこともしたと思うので、ごめんなさい」といった趣旨の発言もなさっておられました。

「地獄の黙示録」などその典型でしょうけれど、作り手の売り口上と出来上がったものが全く別物、ということがあるのがこの世界。当たれば大きいけれど、1本の失敗で会社が潰れることがあるわけで、売り手がどんな作品でも「少しでもいいところを見つけて売り込みたい。」と必死になる気持ちは、この歳になると痛いほどよく分かります。生活かかってるもんなぁ。

こちらも木戸銭払っている以上、同情ばかりもしていられないのだけれど、こういった方々の熱意と努力で映画が広まっていくのだなぁ、とあらためて感じる良い機会でした。

ちなみにフィルムセンターでは7月11日からこの展示と連動した作品上映を企画しているそうです。どんな作品が出てくるのか現時点では分かりませんが、東京近郊の方は要チェックかと。

2012年2月8日水曜日

近代VTR社の映画チラシ写真入りカタログ


お陰さまで1ヶ月が経過いたしました。不慣れな運営でご迷惑もおかけしておりますが、引き続きよろしくお願いいたします。

コメント欄のシステム等で説明不足の点もございましたので、「このブログについて」というページを設けました。一読いただければ幸いです。

さて、FOXスクリーンフレンドのチラシカタログの画像を提供していただいた渡辺屋さんより追加で近代VTR社なるシネショップの通販カタログの画像情報をいただきました。

ここは覚えがないなぁ~。名前からすると映画雑誌「スクリーン」の発行元である近代映画社と関係ありそうな気がしますが、住所は全然違う(神田と中野)ので、単に便乗していただけなのかもしれません。
カタログの体裁も商品のラインナップもFOXスクリーンフレンドと似た雰囲気です。これはあくまでも推察ですが、映画業界(配給会社もしくは興行会社)の中に”商品”として一定量のチラシを確保できる共通の供給ルートのような存在があったのではないでしょうか。どちらかといえば個人からの持ち込みを基盤とする古書店や切手商が出自のショップとは別の印象を抱かせます。

その根拠(?)ともいえるのが、この手の店が多く扱っていた映画会社作成の「チラシセット」です。当時はこの手の物は「ニセモノ!」とバカにして、手を出さなかったのですが、今になると「ひとつくらいは(資料として)買っとけばよかったな~」と思ったりします。東映系で二本立てで上映されたジャッキー・チェン主演作を1枚ものにしたチラシ群は未だに持っていません。オークションで出品されても、何とかして安く入手したいとセコく考えてしまうので、いつまでたっても落札できません。
東宝特撮映画のポスターを縮刷した”チラシ”セットもときどきバラ売りでオークションで出ていますね。たまにチラシ扱いする出品者がいたりすると、知らない人も増えているんだなぁ…と思ってしまいます。こちらも結局未入手のままだわ。

と、思い出せないショップのカタログで、あれこれ書き連ねて参りましたが、ここをお読みの皆さまも「こんなの持ってるよ!」というものがありましたら、ぜひ小生まで情報をお寄せくださいませ。現存するショップの場合は、古いカタログであろうが平気で問合せをする人もいるらしく、お店への影響を考えて掲載できない場合もありますが、あまりこの種の資料はネットでも見かけないので、少しでも取り上げられればなぁと考えております。ご協力をお願いいたします。

渡辺屋さん、今回もありがとうございました!