浅草中映も、浅草という街自体が池袋発の私鉄沿線に住んでいた自分にはアクセスしづらく、東京クラブやキャピタルといったところも含めて行かずじまいでした。「ぴあ」に載っているラインナップで、時々「こんなのフィルムが残ってるんだ…」という古い作品が三本立に挟まっていて、気になることはあったのですが、あちこちに名画座があったあの時代、通学定期からいくら交通費を乗せるかが大きな問題で、行き先は池袋や高田馬場、新宿あたりに偏る訳です。
「センチメンタル・アドベンチャー」が東京ではロードショーがなく、地方の二本立の「添えもの」だったのは有名で、自分は池袋文芸座の「イーストウッド大会」で「ブロンコ・ビリー」と一緒に観た記憶があります。
そんな上映経緯のせいか、通常のチラシが存在せず、あるのはホール上映か、この画像のような館ニュース。これは浅草キャピタルのものですから、本来は「名画座のラインナップ」なのですが、通常版が無いために珍重されています。このチラシには曜日表示が無く、年代特定が難しいのですが、封切(KINENOTEでは1983年4月26日)より前の日付で、「ザ・ドロッパーズ」(1983年10月公開)がありますので、1984年以降のものと考えられます。
※偽造品防止のため、コントラスト等修正しています。 |
「目撃者」は未公開チラシとして紹介された記事を見かけた記憶があり、ネット上でのはっきりした公開データが見つからなかったのですが、キネ旬増刊「世界映画作品・記録全集」の1985年版に「1983年1月22日千葉市内」との記述がありますので、これも「センチ~」同様、地方の二本立の「添えもの」として上映されたのでしょう。
こちらは1枚もののチラシが存在しますが、FOXスクリーンフレンドで販売していましたので、その手のルートで流通しているものが大半なのではないでしょうか。実際に映画館で配られたかは、個人的にはちょっと疑問です。
ワーナーやFOXがこの手の地方向け二本立作品のきちんとしたチラシを作りはじめたのは85年以降なので、少しだけ時代が早すぎたわけで、「センチ~」の通常版がないのは、パンフレットがあるだけによけいに残念です。