2012年9月22日土曜日

フューリー(の念写)

キャッチコピーが「サスペリア」の後追いですね。
チラシブーム全盛の70年代後半から80年代半ばにかけて、 以前紹介した「サウンド・オブ・ミュージック」のような”館名が実際の公開時期と合わないチラシ”が一部のショップを通じて市場に流入していきました。 

この時代、いくつかのショップでチラシの原版を再度印刷したものを販売していたのですが、公開日・館名の告知欄が空白になっていると商品の魅力が弱いので、別の作品のそれを加刷するということが行われていました。子供だましの方法なのですが、それこそお客さんが子供だったので、やってしまったんでしょうね。

自分も当時、某ショップでまとめ売りのパック商品を買ったところ、違う作品なのに同じ館名・公開日のチラシをいくつも発見し、勉強させていただきました。勉強、というか、怒りのあまりあとで本物(公開当時のもの)を入手するたびに破り捨てていたのですが、そのうち、「これはこれで往時をしのぶ品として取っておくか」という仏の心境(←バカ)になり、若干ではありますが、現在でも所有しています。

そんな再版・加刷(と思しき)チラシの中で、非常に分かりやすい例が「フューリー」を使ったものです。
他にもまだあったように記憶していますが、現在手持ちにあるものをこちらでまとめてみました。

フューリー」は1978年9月公開。千代田劇場は東宝邦画系のチェーンマスターなのですが、この時期あたりから東宝の邦画系でも日比谷の映画館だけ洋画系の劇場を使うことが増えてきました。ちなみにこの時期の東宝邦画系作品は「火の鳥」や「聖職の碑」で、有楽座で上映しています。そのあおりで千代田劇場は「フューリー」をかけたと(似たような例が1981年8月の「ラスト・レター」)。

それにしても、あらためて並べてみますと、笑ってしまいますね。「悪魔の追跡」や「エミリアンヌ」ならともかく、「うず潮」や「恋愛日記」まで”衝撃のロードショー”だもの。

今でもこの手の品を時々ヤフオクで見かけることがありますが、知識のない出品者側に責任を求めるのは酷というもの。プレミア品と違って真正品も安く手に入るので、もし、ここを見て「あちゃー」と思った方(ほとんどいないと思いますが)も、どうか大人の態度でリカバリーしていただければと思います。自分もただの素人ですので、本エントリーを書いたこと以上の責任は負えませんので、その点はご諒解願います。


2 件のコメント:

  1. こちらには「スパイクスギャング」の館名欄が11月中旬ロードショーで、館名が日劇文化のチラシがあります。

    前売料金が900円で上映時間も入ってます。ただ映画本編が1時間36分なのに、1回の上映に1時間45分しかとってません。

    これは例のショップのパックに入っていた物です。とすると館名欄だけ数種類作っていたということでしょうか?

    このチラシを探していたら、1979年のイラスト版「ジョルスン物語」のチラシで露骨に色が違う物がありました。オレンジ部分が薄いのと濃いのがあり、濃い方には表に映倫マークが入ってます。裏は同じで館名欄は、近日おたのしみロードショーになってます。館名はニュー東宝シネマです。

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  2. 渡辺屋さん、コメントありがとうございます。
    自分の手持ちに「フューリー」ものが多いのは入手したタイミングでそうなっただけで、時期によっては他の館名が入っている可能性が高いと思います。日劇文化や有楽シネマあたりの上映状況は自分も把握できていないので、断言は出来ませんが、再版品の可能性はあろうかと思います。
    「ジョルスン物語」の件は初耳です。わざわざ複写品を作っても売れ線とは思えませんがどうでしょうか。IPは「白い恐怖」の男顔版のような例もあるので、初期エラーかもしれません。館名は「ニュー東宝シネマ」とありますが、1・2、どちらでしょうか(実際には79年10月20日にシネマ2で上映されており、10月8日には裏面に告知のある「メイクアップ」はシネマ1で上映されています)。

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