夏休み中、実家で久々に日経新聞を読んでいたら、シネコンについての特集記事が載っていて、シネコンの飽和状態はやはり深刻な状況のよう。観客が減っているのに箱ばっかり作っててもなぁ。MOVIXのチラシ棚はすっかりアニメに占領されているし、ワーナーマイカルもレンタル事業を始めるようだし、「シネマ」度合は薄くなっていくばかり。まぁ、映画自体が動画コンテンツビジネスの一形態(あるいは一プロセス)になったと言えばそれまでなんでしょうが。
それはさておき、日経の最終面の「私の履歴書」をメキシコ五輪のマラソン銀メダリスト、君原健二氏が執筆されていて、「あるマラソンランナーの記録」に触れていました。
この作品は黒木和雄が監督した記録映画で、本作の製作時のトラブルから劇映画に移ったともいわれています。
トラブルといっても監督と製作会社の作品の方向性についての違いで生じたもので、君原本人には直接関係なかったようですが、「履歴書」を読むと、故障中の撮影だったこと、突然の製作決定で陸上部の監督がいい顔をしなかったこと等、あまりいい思い出ではなかったようです。

作品の評価は高いものの、もともとが企業PR用の記録映画であり、商業ベースで劇場公開されたわけではないので、チラシといってもどのような配布がされたのかは分かりませんが、当時はまだ無名(東京五輪前)の君原選手はまだしも、製作スタッフが記載されていないところにトラブルの根深さが垣間見えます。
せっかくの機会なので、当時の企業PR映画のチラシをこちらにアップしておきます。「ある機関助士」は後年水俣病の記録映画で名をなす土本典昭のデビュー作、「小さな冒険旅行」は記録映画ではありませんが、原案:石原慎太郎、監督:大島渚という、今では想像つかない組合せの短編映画です。
ちなみにこれらのチラシはヤフオクで入手したのですが、この種のチラシは劇場公開作とは流出ルートが異なり、シネショップではあまり扱われないので、ネット時代ならではの入手という気もします。