日曜の夜、「ドラゴン・タトゥーの女」のレイトにすべり込み。
原作が面白かった人には、まぁ楽しめるのではないでしょうか。
尺に収めるために人物の整理をしたほかに、脚色はほとんど無く、「絵解きかよっ」というくらいのストレートな映像化。結局一作も観なかった「ハリ・ポタ」も原作者がうるさかったという話だし、ベストセラーの映画化はいろいろ難しい問題があるのかもしれません。
では、原作を読んでいない人が観て、果して面白いのかというと、疑問が残ります。過去の事件の謎解き部分はうまくまとめてあるけれど、主人公の現在の部分、例えば、ミカエル(ダニエル・クレイグ)を陥れた新興企業との確執の描き方が弱いので、彼が事件の調査を引き受けた動機に説得力が無くなってますし、「事件」解決後のストーリー展開に興が乗らないきらいがありました。原作を読んでいない人は終盤いったい何が起きているのか判らなかったかもしれないです。押し花のプロローグも原作どおりなのは嬉しいけれど、説明不足なので、かえって混乱するかも。リスベット(ルーニー・マーラ)と元の後見人との描写もわかりにくいし(次作への布石なのかもしらんけど)。
ダニエル・クレイグは、ジェームズ・ボンドとは真逆の、女性に頭が上がらない文科系男を見事に演じて魅力的。ルーニー・マーラもリスベットのキャラクターを体現し、オスカーノミネートも納得の感があります。でも、その二人がぶつかったケミストリーが映画として魅力を発揮していたかというと、そこは弱いです。つつがなく映像化しました、というだけかな。
よくぞ映像化してくれた、という面もあるし、フィンチャーですから、バイクと特急列車をからめたショット等、唸るシーンももちろんあるので、悪口ばかりを言うつもりは無かったのですが、期待が大きい分、要求水準も高くなるわけで、どうしても辛口にならざるを得ない、というのが本音です。
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