2012年3月3日土曜日

ラインナップ(アスキー1991/ギャガ1992)

以前のエントリーで松竹とブエナビスタのラインナップチラシを紹介しましたところ、今度は渡辺屋さんからアスキー映画の91年、ギャガコミュニケーションズの92年のラインナップの画像を提供いただきました。アスキー(B5片面)はここに、GAGA(A4片面)はここにあります。

この頃は仙台に住んでいて、仕事に夢中でしたので、映画もあまり観ない生活で、チラシからも疎遠でした。そんな訳で観た作品も「フライド・グリーン・トマト」だけ。あとビデオで「イヤー・オブ・ザ・ガン」くらいでしょうか。というか、この辺の作品群って仙台でかかっていたのかしらん。

バブル期あたりからレンタルビデオの普及とあいまって、公開本数が異常に増えはじめ、それに伴い新しく配給業務に乗り出す企業が増えてきました。アスキー映画は異業種からの参入組で、ベストロン映画(ここもマイケル・ジャクソンの「スリラー」のビデオであてたバブル企業)あたりが母体だったはず。いろいろ調べてみると、ハリウッドの製作者にずい分とお金を突っ込んだようで、その辺でアスキー本体も傾いてしまったようです。先日の午前十時の映画祭で観た「バンド・ワゴン」でも出資者。監督、主人公たちとの間で様々な駆け引きが繰り広げられていましたが、映画は笑ってみていられるけれど、出資する立場から見れば、賭け金がガンガン消えていくわけで、ショウビジネスは怖いです。

アスキーのラインナップを見ると、映画ファンの興味は引けそうだけど、集客力としてはどうかなぁ…という感じがしますね。結果として不遇な扱いになったものも多く、左に挙げた4作のうち、「オプションズ」と「エニッド・イズ・リービング」(ビデオ題はなんと「ハリーの妻難」!)はビデオスルー、「リトル・モンスターズ」も東京国際ファンタスティック映画祭で上映はされたものの、「リトル・モンスター」でビデオスルー。「ファー・フロム・ホーム」は「ネバダ・ミステリー/静けさは危険な香り」として94年7月にようやく公開されましたが、ビデオチラシはあるものの(当方未所有)、おそらく映画のチラシは無いと思います。

一方のギャガですが、「死霊の盆踊り」から立ち上がって、四半世紀。ここも紆余曲折いろいろありますね。「エリン・ブロコビッチ」の主題歌のタイトル Everyday Is A Winding Road を地で行くような会社な気が。

この頃はまだ雌伏期とでもいうべきか、まだまだ派手なラインナップはありませんが、フランス映画を除いて着実に公開にこぎつけていたようです。「ボーイズ・ライフ」にディカプリオの名前が出ていないのも、時代を感じます。

唯一公開されなかったのが、右の「イントゥ・ザ・サン」。マイケル・パレ主演作なので、かかったとしても銀座シネパトスあたりだったかもしれませんが、うまくはまらなかったんでしょうかね。ちなみに「メタルウィング」という名でビデオになっています。

いやぁ、ラインナップは面白いなぁ。学生時代、古本屋で映画雑誌を立ち読みしていて、CICの広告で「顎(仮題)」を見つけ、ニヤニヤした記憶が甦ります。

渡辺屋さん、今回もありがとうございました。

4 件のコメント:

  1. 「フライド・グリーン・トマト」は自分の働いていた映画館で上映していたので、もしかすると会っていたかもしれませんね。
    この映画がアスキー最大のヒット作で、後はほぼコケ続けてました。

    ライナップの作品の内、仙台で公開されたのは半分ぐらいです。残りは東京でも単館上映の作品ばかりです。

    アスキーは元々コンピューター系の会社で、仙台地区に大規模な半導体工場を造る予定でしたが結局事業は頓挫でして会社自体も傾いて不採算事業を切り捨てていきました。映画配給もそれで止めることになりました。
    新作の配給を中止した後もすこしの間は旧作の配給は続けていたようです。

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  2. コメントありがとうございます。
    やはり大半は仙台ではかかってなかったのですね。
    アスキーに工場の計画があったのですか。
    仙台もあの頃はバブルの恩恵があったのか、千昌夫のゴルフ場とかありました。双葉観音とか今でも建っているんでしょうか。
    「フライド~」に行ったのは「友よ、風に吹かれて」で気に入ったメアリー・スチュアート・マスターソンが出ていたからだと思いますが、その後の彼女、パッとしなかったですね。

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  3. あらあら、仙台大観音はちゃんとまだありますよ。

    自宅は観音様のすぐ近くです。歩いても10分かからないと思います。

    双葉の会社の方はあぼーんしましたが・・・

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  4. 情報ありがとうございます。
    双葉はダメでしたか。
    観音様はさすがに簡単には撤去できないよなぁ。

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