周回遅れがヒドくなる一方ですが、備忘録、備忘録。
「エンド・オブ・ザ・ワールド」。久々にキーラさんが観たいなぁ、と思って出かけたのですが、これは行ってよかった。
監督さんは30代の方なのに、何だこの選曲センス。タイトルから「17歳のカルテ」で印象的な使われ方をした、スキータ・デイヴィスの歌でも使っているのかと思いきや、さにあらず。冒頭のビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」の皮肉いっぱいな使い方(しかも後でパンフを読んだら本当のスティーヴ・カレルの奥さんが演じている)でのせられ、大滝詠一の元ネタである、ウォーカー・ブラザース、で、極めつけはハープ・アルバートの「ジス・ガイ」と来たもんだ。この曲大好きで、昔よく聴いたなぁ…すっかり別人になったウィリアム・ピーターセンの客演も嬉しかったです。
レコードの音の厚みのよさをしみじみと語る映画をブルーレイ上映で鑑賞するのはちょっと残念ではありますが、昭和のSF少女マンガを思わせるストーリーも心地よく、すっかりゴキゲンな気分で映画館を後にしました。地球が滅ぶ話ですが。
「クラウドアトラス」。トム・ハンクスとハル・ベリー主演、と聞くと、普段ならつい敬遠してしまうのですが、六重構造のストーリーってヤツに惹かれてチャレンジ。
何といいますか、六色の割子蕎麦を食べているような映画でして、それぞれの蕎麦に違う味付けをしているものの、一皿としては足りないし、全体としては似た印象で、満足感もあまりなかったなぁ、と。エンディング・クレジットのひとり6役のネタばらしは面白いけれど、役の割り当てに意味があったとも思えないのがつらいところ。
それでも「ジャンゴ」より退屈せずに長時間を観通せたのは、よくも悪くもウォシャウスキー監督の「軽さ」があってのような気がします。この手の題材を、日頃縁遠い「巨匠・異才」の監督さんが仕上げていたら、評論家絶賛の傑作になるのでしょうが、果して自分が観通せる作品になったかどうか。
「劇場版 魔法少女まどかマギカ」。この種のアニメはまったく知識がないのですが、ネットで評判を知って、前後編のイッキ観に挑戦。
合計4時間近くですが、一話20分×全12話と考えると、総集編というより繋ぎ目なしのリミックス一挙上映会なのかも。一本の作品として構成を大きく手直しをせずに、エピソード順に淡淡と話が進む感じの展開。
お話は「ポストモダンやねぇ(←意味不明)」.という感じで、若ければ、ひょっとするとハマってしまうのかもしれない内容でしたが、アニメ特有(?)のお約束演出(キャラクターや背景設定の造形)に不慣れなオッサンにとってはギャップは否めず、社会科見学しているような感覚からは抜け出せませんでした。後半の時間SF調はなかなか魅力的なんだけど、その理屈を支えるのが「魔法」だもんなぁ。
「フライト」。どうも最近のハリウッド作品は、SFX工房(という言葉も死語かもしれませんが)のプレゼンかよ、と思うような派手なCG・合成演出に逆にシラけてしまうのですが、さすがにゼメキスのような百戦錬磨の方だと、さじ加減を心得ている感じで、デンゼル機長の離れ業飛行(とその後)の見せ方とかは上手いなぁ、という言葉しか出てきません。
久々にその手の特撮とドラマをきちんと融合させたハリウッド大作を観た、という満足感を味わいました。この作品や5月に観た「リンカーン」と比べると、「アルゴ」はヒヨっこだよなぁ。
事件の真相を描ききっていないという批判もありますが、自分はデンゼル・ワシントン演ずる機長の深層心理を中心に映画を観ていたので、割と後半の展開にもすんなり納得できました。まぁ、あの宣伝文句だと、白黒つけろよ、という意見もわかりますが。ただ、宗教面でも深い解釈ができそうな演出がされていましたが、その辺はちょっとわからないです。
同僚の子持ちのCAの女優さん、どっかで観たことあるな、と思って後で調べたら、「ディアボロス」の悪魔の弁護士ビルの奥様連中のお一人でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿