おことわり

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2013年8月31日土曜日

殴り込み海兵隊/壮烈第一海兵隊・向う見ず海兵隊

写真の流用について、一本発見しましたので、kussyさんところへ投稿したのを機にこちらで。

殴り込み海兵隊」は1959年製作・公開作品ですが、翌年日本で公開された「向う見ず海兵隊」の中面に「殴り込み…」の表紙の写真が使われています。

「向う見ず…」は1952年製作なので、「殴り込み…」の方が流用している可能性もありますけれどね。「殴り込み…」の兵士の右手に持っているのはカメラのようなので、「向う見ず…」の主人公が報道班員ということで写真を使ったのかもしれません。

配給は両方とも日本アライド・アーチスツ。アライドというと、「昼下りの情事」(日本での配給は松竹=セレクト)の制作会社という印象しかないですが、この種の小品をいろいろ作っていたようです。

話は逸れますが、流用で最近どうもひっかかったのが「少年H」の特報の音楽。「午前十時」をずっと観ていた身にとっては、もともと予告等に使われる曲らしいですが、引いてしまいます。

まぁ某リメイク作品での「アカデミー賞受賞作品」と、ドーンと出る予告も相当なものでしたけれどね。

2013年8月25日日曜日

明日に向って撃て!

















ようやく少し涼しくなりましたが、気を取り直して再開いたします。

それにしてもエントリーのペースが遅くてすいません。
昨春「ディア・ハンター」のエントリーのコメントでくろばくさんから古澤利夫の回顧録「明日に向って撃て! ハリウッドが認めた!ぼくは日本一の洋画宣伝マン」を教えていただき、その感想がてら「明日に向って撃て!」をエントリーしようと思いつつ、時間ばかり過ぎてしまいました。今年の初めにチョコさんのブログにも「そのうち」とか書いたのに、何やってんだか。

中面。銀座松坂屋も今年6月末に閉店してしまいました。
で、先にチョコさんの疑問に触れておきますと、上の変形版のチラシは右下に「鑑賞券引換クーポン」とあり、中面には松坂屋のバーゲンご来場の方にクーポンプラス400円で前売券と引き換える旨書かれています。前売券も400円ですが、日比谷映画の前売発売は公開1週間前からだったようなので、先行販売の意味合いが強いかもしれません。

当時の新聞広告には「FOXスクリーンフレンドの会員は前売券はこちらで」と、引換券の交換場所と同じタバコ店での購入を呼びかけています。このチラシに似たつくりの試写状がありますが、同じくスクリーンフレンドがらみと思われる「魚が出てきた日」の変型チラシにも似た形状の試写状がありるので、ひょっとすると、このチラシも(シネサークルとしての)スクリーンフレンドと関係があるのかもしれません。とりあえず70年代の本作品のチラシをこちらにまとめております。

古澤氏の著書ですが、氏の博覧強記ぶりは凄いですし、おもしろいエピソードも数々あって、興味深く読むことができましたが、ジブリの社内誌の連載だからかもしれませんが、ご本人の言いたいことの語りおろしだけで終わってしまっていて、聞き手の突込みの甘さに少々不満を感じます。これだけの人なのにもったいない。

別に山田宏一との軋轢やスターウォーズの公取委勧告について聞け、とは言いませんが、興行的な成功作の話だけではなく、日本では苦戦したメル・ブルックスについての苦労話とか、別名義でかかわった初期の角川作品の宣伝についても知りたいところです。

さて、この本を読んでいるあいだ、ず~っと頭の中で鳴り響いていたのが、その昔土曜日の夕方にテレビ朝日でやっていた「ハリウッド映画大集合」という番組のオープニングのファンファーレ。「ハリウッド映画」といいつつ、紹介されるのは制作したFOXの作品ばかりで、「ワシがハリウッドの歴史を作った」といわんばかりの内容に、時々「そりゃぁムリ」と突っ込みつつも、ビデオなどなかった時代、結構楽しんで観ていた記憶があります。

今ではすっかり忘れられた存在らしく、ネットで調べてもほとんど情報がありませんでしたので、自分なりに放映リストを調べてこちらにまとめてみました。正確さに欠けるきらいがありますが、覚えている方のご参考まで。

2013年8月10日土曜日

3月に観た映画(後編)

周回遅れがヒドくなる一方ですが、備忘録、備忘録。

エンド・オブ・ザ・ワールド」。久々にキーラさんが観たいなぁ、と思って出かけたのですが、これは行ってよかった。

監督さんは30代の方なのに、何だこの選曲センス。タイトルから「17歳のカルテ」で印象的な使われ方をした、スキータ・デイヴィスの歌でも使っているのかと思いきや、さにあらず。冒頭のビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」の皮肉いっぱいな使い方(しかも後でパンフを読んだら本当のスティーヴ・カレルの奥さんが演じている)でのせられ、大滝詠一の元ネタである、ウォーカー・ブラザース、で、極めつけはハープ・アルバートの「ジス・ガイ」と来たもんだ。この曲大好きで、昔よく聴いたなぁ…すっかり別人になったウィリアム・ピーターセンの客演も嬉しかったです。

レコードの音の厚みのよさをしみじみと語る映画をブルーレイ上映で鑑賞するのはちょっと残念ではありますが、昭和のSF少女マンガを思わせるストーリーも心地よく、すっかりゴキゲンな気分で映画館を後にしました。地球が滅ぶ話ですが。

クラウドアトラス」。トム・ハンクスとハル・ベリー主演、と聞くと、普段ならつい敬遠してしまうのですが、六重構造のストーリーってヤツに惹かれてチャレンジ。

何といいますか、六色の割子蕎麦を食べているような映画でして、それぞれの蕎麦に違う味付けをしているものの、一皿としては足りないし、全体としては似た印象で、満足感もあまりなかったなぁ、と。エンディング・クレジットのひとり6役のネタばらしは面白いけれど、役の割り当てに意味があったとも思えないのがつらいところ。

それでも「ジャンゴ」より退屈せずに長時間を観通せたのは、よくも悪くもウォシャウスキー監督の「軽さ」があってのような気がします。この手の題材を、日頃縁遠い「巨匠・異才」の監督さんが仕上げていたら、評論家絶賛の傑作になるのでしょうが、果して自分が観通せる作品になったかどうか。

劇場版 魔法少女まどかマギカ」。この種のアニメはまったく知識がないのですが、ネットで評判を知って、前後編のイッキ観に挑戦。

合計4時間近くですが、一話20分×全12話と考えると、総集編というより繋ぎ目なしのリミックス一挙上映会なのかも。一本の作品として構成を大きく手直しをせずに、エピソード順に淡淡と話が進む感じの展開。

お話は「ポストモダンやねぇ(←意味不明)」.という感じで、若ければ、ひょっとするとハマってしまうのかもしれない内容でしたが、アニメ特有(?)のお約束演出(キャラクターや背景設定の造形)に不慣れなオッサンにとってはギャップは否めず、社会科見学しているような感覚からは抜け出せませんでした。後半の時間SF調はなかなか魅力的なんだけど、その理屈を支えるのが「魔法」だもんなぁ。

フライト」。どうも最近のハリウッド作品は、SFX工房(という言葉も死語かもしれませんが)のプレゼンかよ、と思うような派手なCG・合成演出に逆にシラけてしまうのですが、さすがにゼメキスのような百戦錬磨の方だと、さじ加減を心得ている感じで、デンゼル機長の離れ業飛行(とその後)の見せ方とかは上手いなぁ、という言葉しか出てきません。

久々にその手の特撮とドラマをきちんと融合させたハリウッド大作を観た、という満足感を味わいました。この作品や5月に観た「リンカーン」と比べると、「アルゴ」はヒヨっこだよなぁ。

事件の真相を描ききっていないという批判もありますが、自分はデンゼル・ワシントン演ずる機長の深層心理を中心に映画を観ていたので、割と後半の展開にもすんなり納得できました。まぁ、あの宣伝文句だと、白黒つけろよ、という意見もわかりますが。ただ、宗教面でも深い解釈ができそうな演出がされていましたが、その辺はちょっとわからないです。

同僚の子持ちのCAの女優さん、どっかで観たことあるな、と思って後で調べたら、「ディアボロス」の悪魔の弁護士ビルの奥様連中のお一人でした。