はじめて映画館で観た007、「ユア・アイズ・オンリー」の前売特典が全12作のチラシセット。やっぱり…という感じの再版ものでしたが、当時は嬉しかったものです。
それでも気になったのが「ゴールドフィンガー」と「女王陛下の007」。「ゴールド…」は手持ちのリバイバル版とはデザインも裏も異なるし、「女王陛下」は全体にボケていてかなり怪しい作り。
さて、「女王陛下の007」ですが、表は画面では見えにくいかもしれませんが、イラストの右隅(「女王陛下の」の「の」の右あたり)に「映倫」のマークが入っています。メジャー系のチラシに映倫マークが付いていることはほとんどないので、これは大方の予想どおり、初公開時のポスターを縮小したものでしょうね。ユナイトのTマークも右側ですし。
裏については、ルイ・アームストロングが故人になっている(1971年7月6日没)点やテリー・サバラスについて「刑事コジャック」(日本では1975年9月放映開始)に触れている点からみて、初公開の文面ではないな、と分ったものの、ではリバイバルかといえば、一時期ユナイトのラインナップに載ったことはあるようですが、キネ旬や映画年鑑にはリバイバルの形跡はなし。ネットに「テレビ初放映(1979年4月)にあわせてプリントが焼かれ、二番館に配給された」という情報があったので、当時の雑誌を調べてみたところ、確かに1979年1月から4月にかけて全国の名画座で上映されていたようです。同年6月辺りで他のシリーズ旧作の上映も止めているよう(違っていたらゴメンなさい)なので、観た人は少ないかも。
裏面の元ネタはなんだろう…と、ずっと疑問に思っていたのですが、つい最近になって「ロードショー」の1978年1月号の付録「007シリーズ全10作チラシ・コレクション」にこれと同じものが出ていることを発見。「私を愛したスパイ」公開時に作られたものですから、付録とはいえ名古屋で「ムーンレイカー」公開記念で配布されたのよりもさらに前の話ですね。付録の複製チラシは当時は興味がなったし、チラシを集め始めたのは78年のGW以降だったので、盲点でした。
こちらでちょっとまとめてみましたが、セット版「女王陛下」裏面の謎の黒枠もこの付録の裏面とピタリとはまるので、これが元ネタのような気がしてならないのですが、これより古いネタをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただけますと、嬉しいです。「ゴールドフィンガー」の元ネタ情報もぜひお願いします。永年の疑問でして…
※2013.11.4追記 当初「ゴールドフィンガー」のリバイバルを2週間、と書きましたが、日比谷映画が2週間で、同時に封切った新宿プラザは4週間、日比谷映画を継いだ渋谷宝塚と池袋劇場は2週上映しておりました。