2013年10月20日日曜日

007ゴールドフィンガー/女王陛下の007(セットチラシ版)

ダラダラと続けているユナイトマークの話、007シリーズも外せないとは思うものの、コネリーボンドの初版は「ダイヤモンドは永遠に」しか持っていないようなレベルですので、セットチラシについて少々。

はじめて映画館で観た007、「ユア・アイズ・オンリー」の前売特典が全12作のチラシセット。やっぱり…という感じの再版ものでしたが、当時は嬉しかったものです。

それでも気になったのが「ゴールドフィンガー」と「女王陛下の007」。「ゴールド…」は手持ちのリバイバル版とはデザインも裏も異なるし、「女王陛下」は全体にボケていてかなり怪しい作り。

「ゴールド…」についてはいまだに正体が分らないのですが、ひとついえるのはセット版のチラシはユナイトのロゴが「ユア・アイズ…」当時使われていたものと同じ(「屋根の上のバイオリン弾き」のエントリーで紹介した1976年4月以降に使用)ということ。「ゴールド…」のリバイバルは1971年7月。「追跡者」の不振のリカバリーでメインの日比谷映画はわずか2週間の上映(他館もあわせれば4週間)で、それ以降は未確認ですが、少なくともセットチラシのデザインがこの時期に出たということはあり得ない、ということになります。ロゴマークを古いままやり過ごすことはできても、未来のマークが過去にさかのぼることはない訳で。後は76年4月以降に公開されたか…ということになりますが、「二度死ぬ」のリバイバルが1976年6月なので、二本立として上映された可能性もゼロではないものの、今のところそれらしき情報は発見しておりません。

さて、「女王陛下の007」ですが、表は画面では見えにくいかもしれませんが、イラストの右隅(「女王陛下の」の「の」の右あたり)に「映倫」のマークが入っています。メジャー系のチラシに映倫マークが付いていることはほとんどないので、これは大方の予想どおり、初公開時のポスターを縮小したものでしょうね。ユナイトのTマークも右側ですし。

裏については、ルイ・アームストロングが故人になっている(1971年7月6日没)点やテリー・サバラスについて「刑事コジャック」(日本では1975年9月放映開始)に触れている点からみて、初公開の文面ではないな、と分ったものの、ではリバイバルかといえば、一時期ユナイトのラインナップに載ったことはあるようですが、キネ旬や映画年鑑にはリバイバルの形跡はなし。ネットに「テレビ初放映(1979年4月)にあわせてプリントが焼かれ、二番館に配給された」という情報があったので、当時の雑誌を調べてみたところ、確かに1979年1月から4月にかけて全国の名画座で上映されていたようです。同年6月辺りで他のシリーズ旧作の上映も止めているよう(違っていたらゴメンなさい)なので、観た人は少ないかも。

裏面の元ネタはなんだろう…と、ずっと疑問に思っていたのですが、つい最近になって「ロードショー」の1978年1月号の付録「007シリーズ全10作チラシ・コレクション」にこれと同じものが出ていることを発見。「私を愛したスパイ」公開時に作られたものですから、付録とはいえ名古屋で「ムーンレイカー」公開記念で配布されたのよりもさらに前の話ですね。付録の複製チラシは当時は興味がなったし、チラシを集め始めたのは78年のGW以降だったので、盲点でした。

こちらでちょっとまとめてみましたが、セット版「女王陛下」裏面の謎の黒枠もこの付録の裏面とピタリとはまるので、これが元ネタのような気がしてならないのですが、これより古いネタをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただけますと、嬉しいです。「ゴールドフィンガー」の元ネタ情報もぜひお願いします。永年の疑問でして…

※2013.11.4追記 当初「ゴールドフィンガー」のリバイバルを2週間、と書きましたが、日比谷映画が2週間で、同時に封切った新宿プラザは4週間、日比谷映画を継いだ渋谷宝塚と池袋劇場は2週上映しておりました。