おことわり

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2012年1月29日日曜日

魚が出てきた日



自分が集め始める前の映画チラシの流通事情は知り得べくもないのですが、チラシブーム前の60年代後半から70年代初頭のメジャー系公開作品のチラシのいくつかは以前のエントリーでも紹介したFOXスクリーンフレンドや東和シネクラブといったシネ・サークルの会員だった人、あるいはその関係者から流れてきたのではないかな、と感じることがあります。
この「魚が出てきた日」もそのひとつ。タイトルバックに使われたアニメの魚のデザインをくり抜いた凝ったデザインになっています(上)。
開いてみると、「FOXスクリーンフレンド№4会員紹介ご家族割引券」という文字が(下)。どうやらシネサークルの会員向けに配布されたもののようです。だから通常版のチラシよりプレミアが付いているのかもしれません。サイズも小型で封筒に入るので、機関紙とかと一緒に送られてたのかなぁ(←これはあくまでも推測)。
ちなみに私は所有していませんが、「チラシ大全集」part1のP.154に掲載されている1966年公開のFOX配給作品「華麗なる激情」のチラシには”FOX映画鑑賞会”という表記がされています。「魚~」は1968年公開なので、この間に名称が変わったのでしょう。№1~3がどの作品だったのかが気になりますが、「魚~」が6月1日公開なのに対して「猿の惑星」は4月封切なので、「猿」が1から3のいずれかに入っていたのではないかと予想するのですが、いかがでしょう。
この映画は30年位前、夏になるたびに池袋の文芸座で開催されていたSF・特撮大会(正式なタイトルは忘れました)の二本立てで観ました。シリアスな映画だと思っていたら、ブラックコメディだったので拍子抜けした記憶が残っています。キャンディス・バーゲンも添え物という感じでガッカリ。同時上映の「博士の異常な愛情」のインパクトがあまりに強すぎてほとんど覚えていません。
当時でもこの映画大会くらいでしか「魚~」や「アルゴ探検隊の大冒険」はスクリーンでお目にかかることが出来なかった(プリントが汚かったのが一番の理由でしょう)ので、頑張って観に行って、「観た映画のチラシは全部集めるのだ!」という理想に燃えたものですが、「魚~」は何とか手に入れたものの、「博士」と「アルゴ」はそのあまりのお値段の高さに手が出せないまま現在に至っております。はい。





2012年1月24日火曜日

ロボジー/リアル・スティール

 せっかくのフリーパスを使う時間がまったく取れず、あっという間に期限前。あわてて週末に駆け込みで二本、ロボット大戦と相成りました。

まずは「ロボジー」。恥ずかしながら矢口監督は初見です。別に遠ざけてたつもりもなかったのですが、なぜか縁がありませんでした。

ASIMO(風ロボット)の「中の人」が爺さんだった…、という発想だけで座布団1枚です。何かこう、これだけで「面白いことが起きそう」と思ってしまうし、映画観客の高齢化も意識しているのだろう。慧眼です。

演出も奇を衒うことなく丁寧で、好感を持ちました。確かW.ワイラーを評して「普通に撮って面白く見せるのが名人芸」みたいなことを書いた評論家がいたように記憶していますが、そんな感じといったらほめすぎか。
とはいえ、ネットだ、携帯だ、とメディアが多彩な時代に、ストーリー上、正体がバレずにいるのを維持し続けるのはちょっと苦しいのかも。その辺はもう生暖かく見守るしかないのかな。
続いての「リアル・スティール」。実は全然関心がなったのですが、取引先の年代が近い営業マンから「いやぁ、感動して泣いちゃいましたよ。『ロッキー』+『チャンプ』+『オーバー・ザ・トップ』+『A.I』って感じっすよ。」とお勧めされ、その微妙なたとえに興味が湧いて行ってみました。

まんまやんけ。

いかにもなロード・ムービースタイルで始まり、親子の絆の復活、ダメ男の再生、場末からメジャーにのし上がるアメリカン・ドリーム(もちろんラジオから流れるDJの応援つき)、という手垢つきまくりの物語に、当節の子供たちが喜ぶのであろうポケモン的な「手持ちのキャラによる代理戦争」を派手なSFXで掛け合わせました、という一編。

所詮は代理戦争、人間が戦うのではないので、感動するってまでは行きませんが、映画館で観る分には、音響効果もあいまって、バトル・シーンは迫力たっぷり。
ドラマ部分の演出はさほどよいとは思いませんでしたが、俳優陣の演技が総じて巧いので、まずは安心して観ていられます(敵キャラのオーナーの男女は今ひとつ)。

それにしても、チラシのヴィジュアルは映画の面白さをまったく伝えていません。HPの予告編も妙に重い雰囲気。劇中の少年は結構「今時のガキ」で軽いんですけど。作品は日本市場もそれなりに意識した作りなのに、宣伝がこれではね。


2012年1月22日日曜日

氷の誘惑/炎の一族、虐殺軍団

 前回のエントリーで紹介したチラシの裏面を眺めていたら、入会応募先の「UAシネサロン」の住所が有楽町の交通会館地階になっていたのを発見。そういえば、チラシを集め始めた70年代末、この交通会館地下にあった「東和シネサロン」で旧作チラシの詰め合わせを買いました。FOXスクリーンフレンドで売られていた「館名を後から入れた後刷りもの」が混じった品でした。そうか、東和シネサロンってUAシネサロンを引き継いだものだったんだな。

それはさておき、ウィズダム関連で気になっているチラシがこれです。両面チラシで解説はありません。

ヤフオクの出品者の口上を読んだ記憶では新宿ピカデリー3で上映されたらしいのですが、ネットで探してもデータは見つからず。公開時期等ご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひ情報をお願いします。

「氷の誘惑」、とありますが、これは1953年に日本で公開された「アンナ」のリバイバル。またしてもタイトル変更です。「氷の微笑」にあやかったのか、「炎の一族」の「炎」にかけたのか、何だかなぁ。この「氷の誘惑」というタイトルでは「アンナ」がらみのデータは検索できません。本当に公開されたのかしらん。

炎の一族」はルーマニア映画で、初公開は岩波ホールでした。
水野晴郎氏の経歴をいろいろと検索していたところ、ユナイト退社後の1973年にコロムビア映画の宣伝を担当していたという記事を見つけました。

で、1973年にコロムビアで配給された作品に「虐殺軍団」というルーマニア映画があるんですね。チラシとしても70年代の中ではそこそこレアものとして有名です。この時代は米メジャーの配給会社もヨーロッパ映画を取り扱っていましたが、共産圏だったルーマニア映画はこれがおそらく第1号だったようです。

「炎の一族」の公開はその5年後の1978年。ひょっとしたら「炎の一族」配給の陰には「虐殺軍団」のつてがからんでいたのかな、と思ったりします。

以上とりとめもなく。

'71UAシネメイト募集

 水野晴郎とインターナショナル・プロモーションで思い出したのが、ウィズダムという会社。
70年代初期のユナイト映画配給作品のチラシに頻出する社名です。「団体鑑賞のお申し込みはウィズダムにて」みたいな文言が館名欄にしばしば書かれていました。

このチラシは当時よくあった映画ファンの囲い込み策である配給会社のシネ・サークル「UAシネメイト」のチラシです。

1994年にリバイバルされた「アルファビル」(初公開時は原音に近い「アルファヴィル」。改題は水野氏の癖かな。)のチラシに「ウィズダム創設25周年記念」のロゴがありますので、創設は1969年頃と思われます。Wikipediaの記述によれば、水野晴郎氏は1972年にユナイト映画を退社しているようなので、水野氏がユナイト在籍中に作り、引き継いだ会社なのでしょうか。証拠なしに書いて恐縮ですが、同じような配給会社系のシネ・サークルが母体であろうFOXスクリーンフレンド社の通販広告(かカタログ)に「当社は20世紀FOXとは関係ありません」みたいなただし書きがあったように記憶しています。この種の会社って、配給会社とどういう関係なのでしょうか。門外漢の私にはまったく分かりません。

手元のユナイト作品のチラシを確認すると、ウィズダムの名は74年の「破壊!」「ロング・グッドバイ」あたりで途切れます。75年の
「ローラー・ボール」のテアトル東京座席指定チラシでは団体鑑賞は“メイジャー・エンタープライズ”という会社が担当しているので、この種の業務からは撤退したのでしょう。


水野氏の晩年の仕事というと、「シベリア超特急」が有名です。このチラシで久々にウィズダムの名を目にして、あれ、っと思ったのですが、後年に前述の「アルファビル」のチラシを入手して、「ウィズダムって水野氏が起こした会社だったんだな。」と分かって、ひとりでガッテンしてしまいました。

今回のエントリーを書くにあたって調べていたところ、ウィズダムは「落陽」(水野氏が「シベリア超特急」の企画の原点?である山下奉文大将役を演じた作品)の宣伝協力もしていました。
二本ともネタ扱いされる作品ですが、こんなに接点があったとは。

2012年1月18日水曜日

リトル・プレイボーイ チャーリー&スーピー ラブ・タッチ大作戦

 「恋のジーンズ大作戦」のエントリーで副題付け足しのことを書いて思い出したのが、この作品。これも1981年公開。思いつくのが30年前の映画ばかりとは、やっぱ歳だわ。
なんで記憶に残っているかというと、公開がずれにずれたんですよね。
当時、ヒッチコックの未公開作や「カサブランカ」や「第三の男」のリバイバルで気を吐いていた水野晴郎率いるインターナショナル・プロモーションがなぜか手を出した新作映画。といっても1978年製作のアメリカ=スペイン合作映画。予算のせいでしょうか、微妙な立ち位置。
「ぴあ」とかで何度も試写会やっていたんですよね。最初のタイトルは「チャーリー&スーピー」だけだったはず。「近日公開」を打ち続けているうちに「ラブ・タッチ大作戦」が付き、さらに「リトル・プレイボーイ」が付いてしまいました。多分この間1年以上経ってしまっていたと思います。

画像のチラシはその長い経過を証明するもの。所有はしていませんが、スタンプの無い「リトル・プレイボーイ」なしバージョンもあるんでしょうね。

最終的には、G.Wに同時上映が「わんぱく戦争」という微妙な二本立てでテアトル銀座で公開されたのですが、案の定(?)あっさり終了してしまいました。

学生時代、論文の試験とかで難しい設問にぶつかると、とりあえず知っていることは全部書いておけと、焦っていろいろ書きなぐったものですが、この作品に副題を付けまくった配給会社も似たような心境だったのかも。

今回のエントリーのために、allcinemaで検索してみたら、ビデオの販売タイトルが「汚れなき初体験/まだ知らぬ性の予感」になっていました。業が深いです。

2012年1月15日日曜日

ワイルド7

「荒野の七人」に似たタイトルだから、ということではないのだけれど、フリーパスを利用して「ワイルド7」を観賞。
原作はタイトルだけ辛うじて知っている、というレベルなので「タンタンの冒険」と同様、ちょっと心配でしたが、まぁ今時のアクション映画で、ひとまず退屈はしませんでした。
物語をワイルド7の「誕生編」にしなかったのはよしとしても、メンバーの活躍の大半は瑛太と椎名桔平に重点が置かれていて、他のキャラもそれなりに立っていそうな感じだったので、少なくとも途中のテロ事件の解決譚くらいは他のメンバーに「らしい」活躍をさせてやれよ、とは思った次第。あれではただの数合わせ。
アクション・シーンは、バイクスタントは結構頑張っていたと思いますが、銃撃戦はひたすら撃ちまくるだけで芸が無かったです。
コミックの映画化ということで、「ダークナイト」あたりの無慈悲なアクション感覚を取り入れたかったのかもしれませんが、銃の扱いは日本人にはこなせていないように見受けられ、敵役の犯罪グループ描写のお粗末さとあわせ、その辺は残念ながらうまくいってなかったのではないでしょうか。
それにしても、何故に今「ワイルド7」なのか。「あしたのジョー」だの「どろろ」だの、いったいどうなっているのか。制作費の権限を持っている世代が喜ぶ企画だからなのかもしれないが、それでいいのかね。

荒野の七人

第2回午前十時の映画祭も今週でおしまい。結局第一回は45本、第二回は40本観ることができました。第二回も「銀の殿堂」に該当したのですが、引越しで前住所で観た時の半券を紛失してしまい、応募できなかったのがちょっと残念。というか、この映画祭は1本のフィルムを全国にリレーしているので、遠方に引っ越すとどうしてもスケジュールにダブりが出て、落穂拾いが不可能になってしまいます。「シェーン」や「大いなる西部」、「友だちのうちはどこ?」とか観たかった作品はあったんですけどね。当地では第三回はなく、隣県まで行かなきゃならないので、フォローは難しそうだ。
こちらでの最後の作品は「荒野の七人」でした。子供の頃観た時は、コバーンやブロンソンの最後に感激したものですが、今回見直すと、死に方はカッコよいものの、どうして殺されたかがハッキリしないので、あれれと思ってしまいました。ワンシーンごとに演出に趣向を凝らしているのにどうしてこうなったのか。
とはいえ、ブロンソンがメキシコ人とアイルランド人の混血という設定で、最後にメキシコ名のベルナルドにこだわるあたりは今更ながら初めて気づいたわけでして、いい年こいて「こういうことが分かるなんて、俺も大人になったなぁ」と妙な感慨に耽ってしまった次第です。
さて、70年代にリバイバルされた時のこのチラシ、当時のスターの勢力図が如実に表れていますね。この頃のブリンナーはマカロニに行ってたもんな。ブロンソンにはひげを付けているし。71年と76年にリバイバルされて、表は同一の図案(のはず)ですが、裏は違っています。二つとも持つのがファンの義務というものですが、なぜか76年版しか持たないまま現在に至っております。

※H24.4.8追記 スクリーンの「チラシ大全集」を確認しましたところ、図案に変更はないものの、右下のユナイト映画のマークが異なったデザインになっているようです。

※H24.11.18追記 71年版を入手しましたので、画像を追加します。
やはり右下のマークが異なっています。71年版はザラ紙でミラノ・パンテオン等、松竹・東急系での公開です。ブロンソンは表だけでなく、裏面の写真の方にもひげが書き足されていました。

2012年1月14日土曜日

恋のジーンズ大作戦 巨人の女に手を出すな

前回のエントリーで「正月を迎えられなかった正月映画」と書いて、真っ先に頭に浮かんだのがこの映画。チラシを見返すと、12月19日公開となっているので、記憶違いかな、と思い、図書館に行って新聞縮刷版で確認してみました。
すると26日からは「マッド・マックス2」に変更。新宿京王では1階も地下も同じ映画を上映したんですね。
思い返せばこの時の正月映画は東宝系が「レイダース」と「キャノンボール」+「エンドレス・ラブ」連合軍の一騎打ち。松竹・東急系が「勝利への脱出」「タイタンの戦い」「マッド・マックス2」といった布陣。そりゃあ、弾き飛ばされますね。
当時「巨人の女に手を出すな」という副題が付いたのに、「何それ」とびっくりした記憶があります。で、コレクターの悲しい性で「この副題が付いたチラシがどこかにあるはず」と思ったものですが、見かけませんね。パンフレットはしっかり副題が載っているようですが。
縮刷版で当時の広告を眺めていたら、「身長が男性185センチ、女性175センチ以上の方は特別料金900円でご覧になれます。」とのただし書きが。宣伝部もテコ入れに苦労したんでしょうね。

蛇足ですが、縮刷版をめくっていると、当時の女性週刊誌の広告が目に入りました。
微笑が「スクープ!松田優作(31)が妻子を捨て熊谷美由紀(20)と同棲生活」「水谷豊挙式!花嫁ミッキーの母が娘婿の魅力を語った」「作家・小林久三氏が大胆に推理する/ナタリー・ウッドは他殺だ」
女性自身は「スクープ!原辰徳と相本久美子が婚約寸前!」「本誌現地取材/死を迎えたロンドン病院であの『エレファント・マン』の遺骨を発見!」
時代を感じつつも、世の中あんまり変わってないような。

2012年1月11日水曜日

タンタンの冒険

午前十時の映画祭で稼いだポイントを活かすべく、年末ギリギリに1ヶ月のフリーパスを取得。とはいえ、正月だというのに観たい作品が見つからない。
タダならいいか、と今週で終わる「タンタンの冒険」へ。
興収10億に届かず」という衝撃的ニュースの発信源、斉藤守彦氏のtwitterを確認したら、どうやら10億は超えたらしい。
それにしても斉藤氏の名前を久々に見た。ググったら、いまだにこれがトップに来るんだなぁ…

ヒットしなかった原因は元祖「正月を迎えられなかった正月映画。被告人はクリスマス映画と主張」で有名な「ポーラー・エクスプレス」と同じで、全てにおいて「馴染めない」の一言に尽きる気がします。

スピルバーグとジャクソンが組んだだけあってアクションシーンの演出は複雑かつスピーディで高レベル。2D・日本語吹き替えで観たことをちょっと後悔。タダなんだから文句は言えません。

タンタンの顔は本屋よりギフトショップの方でしか見かけなかった身としては、たとえば目立った女性キャラが出てこないことに不思議さを感じても、それがタンタンシリーズにとって特有のものなのかどうかということすら分からない。そういった細かな違和感がところどころにつきまとう作品でした。


2012年1月9日月曜日

70億の強奪作戦

もうひとつ大伴氏の仕事を発見したので、そちらもアップします。
「70億の強奪作戦」 。1967年11月公開のイタリア製アクション映画です。この時代は「黄金の七人」とかヒットしていたので、その勢いに便乗して作られたのでしょうが、詳細は判りません。
大伴氏は裏面の解説に推理作家として登場。表の図解も大伴氏ではないでしょうか。

大伴氏については、少年マガジンを読んでいたわけではないですが、親に買ってもらった怪獣図鑑の類で幼心にその名前はインプットされていましたので、後年再評価の波が来たときは何だか嬉しかったのを覚えています。こどもの頃「怪獣博士」とか言われてたしね。東宝の特撮映画を(いまだに)1本も劇場で観ていないくせに。

入手してこれを発見した時はニヤニヤしてしまいました。
それにしても大伴氏に推理作家としての著作はあったのでしょうか。ちょっと謎です。

ダーティハリー(その2)



ダーティハリーの記事を書いたら、新聞型のチラシを大伴昌司氏が編集していたものを思い出したので、ついでにアップしてみます(PCスキルがないので、大判のチラシの分割・接合ができず、申し訳ないです)。
ハリー・キャラハンの解説が「怪獣図鑑」ばりでいい感じです。
この頃から「5大アクション」とか「7大ショック」とかやってたようで、70年代のワーナーのイーストウッドはこの手の「○大見せ場」をよく使っていました。「ガントレット」ならともかく、「アウトロー」とかでもやっていたもんな。強引ですね。これは大伴氏が考えたのかな。それともやはり早川達雄氏でしょうか。
早川氏といえば、かつてインタビューがまとめられて、期待して購入したのですが、半分がインタビュアーの個人的な映画への思い入れ文章に割かれていて、がっかりした記憶があります。この中に述べられていたかもしれませんが忘れてしまいました。
早川氏の本で思い出しましたが、どなたかあの古澤利夫氏の回顧録を作る勇者はいないのでしょうか。町山智浩さんにやってほしいな。ムリだろうけど。

2012年1月8日日曜日

ダーティハリー


























年末に午前十時の映画祭で久々に「ダーティハリー」を観たのですが、冒頭でスコルピオが屋上プールで泳ぐ女性をライフルで狙うシーンに思わず唸ってしまいました。

「いや~、大画面っていいわー」

大好きな映画で、それこそLDやDVDも買って観ています(その割に巷間指摘される銀行強盗シーンで撃った弾丸の数とかの話はいまだによく呑みこめない)が、映画館で観たのは昭和の時代。
今回久々に望遠で撮影された屋上プールの光景を、大画面で観た瞬間に圧倒されてしまい、「先週見た『ミッション・インポッシブル ゴーストプロトコル』のドバイのビルから滑り落ちるシーンに負けてねぇぞ」という意味不明の感情が沸き起こってしまいました。
いや、もちろん40年前の映画が技術的に勝てるわけがないんですけど(てか勝ち負け言ってどうするよ)、映画を映画館で見せる底力を感じた一瞬でした。
「映画は映画館で」とうるさく言いつのるつもりもないけれど、自宅のTVモニターを眺めて判った気になるのも危険ですね。
そんな意味でも午前十時のような企画が今後も続くことを願う次第です。
それにしても、あらためて眺めてみましたが、このチラシ、やっぱりいいですね。
写真の配置と銃の角度が見事ですし、右側のイラストをトリミングして顔を半分にしているのが効果的。このイラスト、昔のDVDのジャケットにも使われており、そちらは左眼も映っていたんですが、何か平板な感じがします。真ん中の写真の右足の切り方といいセンスあるなぁ、と。
双葉先生の解説も面白いし、写真のコラージュ華やかなりし時代のマスターピースといえる1枚です。


2012年1月7日土曜日

ドラゴン・タトゥーの女

年末年始の休暇で久々の読書。
ドラゴン・タトゥーの女」は予告編(特報で「移民の歌」のカバーが流れる方。日本版の正式な予告編は”ゆとり向け”と言いたくなるようなつまらなさ)が気に入ったので、読んでみたら、納得の面白さ。
まぁ、海外ミステリーで前に読んだのはトム・クルーズで映画化された「法律事務所」かも、という人間なんで、書評もおこがましいですけれど、ストーリー、キャラクター、背景、謎解き、小道具、すべてが魅力的です。そういや「名探偵カッレくん」ってあったなぁ。あれもスウェーデンだったんだ。
本国スウェーデン版のチラシを見た時はミステリーというよりB級オカルトに思えてしまい、興味が湧かなかったのですが、こちらは期待が高まっています。一応フィンチャーだし。
そういえば、年末に内藤陳さんが亡くなられました。学生時代は「読まずに死ねるか!」とかを参考にして、ジャック・ヒギンズやディック・フランシスとかいろいろ読み漁り、大いに楽しませてもらいました。内藤さんはこの小説をどう評していたのだろうか。ご冥福をお祈りいたします。

赤い砂漠




チラシで「一目ぼれ」というのがあったとしたら、モニカ・ヴィッティの「赤い砂漠」かな。
チラシ大全集を入手した時にその表情とチラシの色使いに魅せられてしまいました。
映画も観ていないし、というかモニカさんの映画は一本も観ていないや。アントニオーニの愛の不毛三部作くらいは観ておきたいのですが。
グラビア系タレントに往々にしてありますが、動いている姿を観るのがちょっとコワくなってるかも。
高校生の頃、斉藤慶子の声を初めて聞いてorzになった記憶が甦ります。